暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
終演
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事件とのことでどこか鈍い色で輝いた。特に《GGO》で個人的にも親交があったらしいリーベのことだと、今の今まであったことを包み隠さず話していく。リーベは最後まで自らのやったことを後悔するようなことはなかったけれど、それでも彼女の凶行は止めることが出来た、と。

「……そう」

「……GG――」

「――キリトたちは、まだデジタルドラッグを使ったプレイヤーたちについて、後始末が残ってるんだって」

 そうして残っていた彼女の《ナーヴギア》とともに、菊岡さんたちの手に預けられることとなり、今しがた車で送られていったとまで語ると。シノンは無関心を装いながらも、どこか安心したように呟いていて。《GGO》でリーベと何かあったのかと聞こうとするものの、それより先にキリトたちの動向について語られた。リズたちを襲っていたデジタルドラッグの服用者たちの制圧には成功したようだが、後始末ともすれば、セブンや運営への通報でもしているのだろう。

「服用者たちは……」

「当然、アカウント削除でしょ。あんなチート使っておいて」

 リーベにデジタルドラッグについての実験台や、餌をちらつかせての時間稼ぎなどの道具にされた、リーベの被害者とも言える彼らを思う。とはいえ被害者と言えども、彼らは自発的にデジタルドラッグを使い、俺たちへと襲いかかってきた訳で同乗の余地はないが。さらに特にデジタルドラッグについて忌避感と軽蔑を隠さなかったシノンの断定口調に、とても二の句を告げる雰囲気ではなかった。

「……まあ、あっちの世界でも強くなりたかった気持ちは……分からないでもないけどね」

 ただしシノンも言い過ぎたと思ったのか、多少は服用者たちへのフォローが入れられて。手早く強くなれる存在であるデジタルドラッグは、確かに服用者たちには天恵だったのだろうと、シノンはどこか遠くを見ながら語っていたが、それも一瞬のことで。次の瞬間には、普段通りのクールな表情に戻っていた。

「なんにせよ、これでもう終わりなわけでしょ」

「……まだ、一つだけ残ってる」

「え?」

 本気で思い至ってなかったらしいシノンに、背負ったリュックの中に入れてあった《アミュスフィア》を示してみせれば、どうやら察したようで表情が面白くないものに変わる。それはリーベがデジタルドラッグを通して与えた呪いであり、デジタルドラッグを適応した際の症状を俺のデータと同じものとし、デジタルドラッグの服用者たちのアカウントを削除すれば俺もまた、同様に削除されてしまうというものだった。

「あとは俺のデータを消すだけだ」

 ならば必要なのは、デジタルドラッグの服用者たちがアカウントを強制的に削除される前に、自らの手で今まで戦ってきたデータを削除すること。セブンからの茅場の手が入ったこのデー
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