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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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れを受けてが失敗と判断したから失敗と呼ぶのだと。

 結果が失敗なんじゃない。

 失敗と結果付けしたから失敗なんだ。

 それが最初から分かれば、きっと今よりは悪くない結果が生み出せたんじゃないだろうか。

「あそこにいるのは、アリシアじゃない。 あれはもう……いえ、最初から、アリシアとは別の道を生きてる」

 フェイトはなのは達に囲まれ、きっと涙を乗り越えて生きていく。

 誰かの代わりじゃなく、フェイト・テスタロッサとして。

 プレシアはようやく、それに気づいたのだろう。

「小伊坂 黒鐘。 頭を上げなさい」

「はい」

 プレシアに言われ、俺は頭を上げてプレシアを見る。

 そこには――――涙を流し、だけどどういう表情をしていいのか分からないような、複雑な表情を浮かべた、フェイトの母親がいた。

「私は家族になれなかった。 だから、あなたが家族として、あの子と向き合って欲しい」

「家族……ですか」

 親のいない俺には、難しい課題だと思った。

 親を忘れた人間が家族をやる。

 ごっこ遊びもいいところだ。

 そんなことが、俺にはできるのだろうか。

「あなたなら大丈夫よ」

「え?」

 優しい声音に、俺は驚きを隠せなかった。

 今までで一番優しい、母親の声。

 フェイトに聞かせたかったと思うほどの声音に、俺は思わず涙を流す。

 どうして、この人はそれをフェイトに向けられなかったのだろうか。

 そしてどうすれば、そうあれたのだろうか。

 後悔と悲しみだけが心に残る。

「あなたはフェイトが作られたと知っても、変わらずにあの子を見つめていた。 フェイトはフェイトだと思えるのなら、あとは時間があなたとフェイトを家族にしてくれる」

「……はい」

「フェイトのこと、頼んだわね」

「はい!」

 俺は力強く返事をした。

 それを聞いて安心したのか、プレシアは全てのジュエルシードを手元に寄せ、そして背を向けた。

「なら、あなた達はここを出なさい。 強力な次元震が予測されるわ」

「……はい」

 ホントは管理局の人間として、この人を逮捕しなければいけない。

 それが俺の仕事でもあるけど、それはできなかった。

 俺も、家族を失った側の人間だから。

 そして一歩間違えれば、プレシアと同じ側になっていたはずだから。

 そんな彼女を逮捕するなんて、俺にはできなかった。

「それではプレシアさん、アリシアと……良い旅を」

「ええ」

 それを最後に、俺は背を向けて走り出した。



「さて、アリシア、行きましょう。 今度こそ、一緒に過ごすのよ。 あなたの妹を紹介で
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