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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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 それを皮切りになのはや雪鳴、柚那たちの声がノイズ混じりに聞こえる。

 恐らく玉座の間の映像を見ているのだろう。

「……フェイトは、アリシアの代わりになるはずだった。 アリシアの全てを受け継ぎ、アリシアとして生きるはずだった」

 今、プレシアがどんな表情と心境でそう言っているのか、俺には分からない。

 だけど、少なくともそこには怒りは感じない。

「それが失敗したことも、アリシアと一緒に過ごせないことも、研究の途中で病に冒されたことも、何もかもが失敗続きだったことも、何一つあの子に責任はない」

「え……」

 頭を下げながらも、俺には今の発言が驚きでならなかった。

 今、この人はフェイトに詫びてるのか?

「たとえ作り物でも、命は生まれただけで奇跡で、祝福するべきことで、ただそれが私の理想と違っただけ」

 プレシアは懺悔を続ける。

 俺にだけ聞こえる声で。

 ホントはそれを、ちゃんと伝えるべき相手が居るはずなのに。

 それができない不器用さのせいで傷つけ、傷つけあってしまったなんて……。

「私は、あの子にアリシアの全てを奪われると思って怖かった。 そう思って、あの子と向き合うことから逃げてしまった」

 怖かった。

 それは間違いなく、プレシアがフェイトに対する接し方の根本なのだろう。

 フェイトはアリシアの代わりとして生まれ、アリシアの全てを引き継ぎ、アリシアとして生きていく。
 
 だけどそれはアリシアが生きてるのではなく、アリシアの代わりが生きていると言う事実。

 さらにフェイトが『アリシア』ではなく、『アリシアに似た別人』として生まれてしまったがために、フェイトがアリシアを奪い、これからもアリシアが進むはずの未来を奪っていくのではないかと恐れたんじゃないだろうか。

 ――――いくらお姉ちゃんでも、人間は造れないし造らないよ。

 天才と称され、画期的なデバイスを多く作り上げた俺の姉さん。

 俺は一度、姉さんに甘えて妹か弟が欲しいと願ってみたことがある。

 だけど姉さんは笑顔で無理とキッパリ否定したのを覚えてる。

 俺の知るなかで、姉さんが唯一不可能と断言したことだけど、今ならその意味が分かる。

 多分だけど、プレシアの実験は成功してるはずなんだ。

 人を造る禁断の技術。

 不可能であり不可侵でもあるそれに手を出した科学者は、プレシアだけではないはずで、その多くがプレシアと同じ結果を出して失敗と言ったのだろう。

 だけど、それは失敗じゃないはずだ。

 だってフェイトは生きていて、自分の意思で選んで進んでいるのだから。

 だから俺はこう思う。

 人を造る技術は成功しても、そ
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