暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第249話 剣士の碑
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自分達の事を待っていたかの様に 静かに鎮座している《剣士の碑》があった。

 恐る恐ると言った様子で、視線を左から右へと動かしていく。それぞれのパーティが攻略をした証が刻まれていた。やがて一番の先頭。黒光する鉄碑のほぼ中央に全員の視線が集まった。

【Braves of 27th floor】

 その一文の下に………アルファベットで10人の名前が深々と刻み込まれていた。

「……ボクたちの、名前………名前だ」
「うん。……うんっ……」

 どこか呆然としていたユウキのつぶやきを訊いて、ランが頷きながらそっとユウキの手を握りしめる。その瞳がかすかに潤んでいるのを横目ではっきりと見たアスナとレイナ。胸が詰まる気がした。こみ上げてくるものがあったがが、どうにか押し留めて笑顔を作る事が出来た。何処かこういう事に弱いレイナは貰い泣きをする寸前の所で リュウキの肩に頭を預ける事でどうにか堪えた。
 

「おーい! 皆で写真とるぞー!」

 そんな時にジュンの声が後ろから響いてきた。
 この時の為に準備していた《スクリーンショット撮影クリスタル》だった。

「ほら、ユウキ。ランも」
「笑って! とびっきりのの笑顔をね? あの時 BOSSを倒した時にも負けない笑顔を、ね?」

 ユウキとランの2人を挟む様に左右にアスナとレイナが立った。
 
「……やっぱり少しだけ固くなる、かな」

 みんなで取る写真。勿論リュウキとて初めてという訳ではない。過去のアインクラッドのリズの武具店での写真撮影があり、それなりに皆との思い出を重ねる事に撮ってきていたんだが……、少しばかり固さが取れなかったりする様だ。

「ふふふっ リュウキさん」

 ひょこっ とリュウキを見る様に顔を出したのはラン。
 
「笑顔です。アスナさんとレイナさんが言ってくれた様に。……あの時にも負けないくらいの笑顔を宜しくお願いします」
「そうだよっ。ボク、この写真 宝物にするからね? リュウキも笑顔で宜しく!」
「ふふ。女の子に頼まれたんだから しっかりとしないといけないね? リュウキくん」
「最っ高の笑顔、だよ? リュウキくんっ!」
「……あのな? 皆。こういう時に注目するのはオレじゃなくて、撮影のクリスタルの方だろう?」

 熱い期待が注目するのがはっきりと分かったリュウキ。流石にそれは恥ずかしい、と言う事で前を向くように促した。

「はっはは! リュウキ。笑顔が完璧にできるまでタイマーセットするの遅らせようか??」
「大丈夫だ。……テイク1で済ます」

 リュウキの言葉に場は笑いで包まれる。
 テイク1で済ませる〜と言う事はこう言うような状況は前にあったんだろう、と言う事が容易に想像できた。そして そこでもやっぱり固かった
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