第十二幕その三
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「真珠だけでなくお部屋全体が輝いて」
「凄く奇麗・・・・・・」
「ただ真珠だけが輝くんじゃないんだ」
「お部屋まで照らすのね」
「しかも隅から隅まで」
「そうです、これがです」
女王様も笑顔でお話します。
「私の秘蔵の真珠です」
「ここまでのものとは」
「想像もしてなかったです」
「本当に奇麗ですね」
「みらびやかで」
「虹色に輝く太陽みたいですね」
「そうですね、この真珠を観ますと」
女王様はにこりとしたままこうも言いました。
「私も幸せな気持ちになります」
「女王様ご自身もですな」
「そうした気持ちになりますか」
「そうなんですね」
「この真珠を観ていますと」
「そうなるんですね」
「はい」
その通りというのです。
「とてもです」
「誰もがね」
ジュリアがここで言ってきました。
「そうなると思うわ」
「ここまで奇麗だから」
「その奇麗なものを観られたから」
「だからですね」
「そうよ、人は奇麗なものを観るとね」
まさにそれだけでというのです。
「幸せな気持ちになれるわね」
「そしてそれが綺麗なら奇麗なだけね」
王様もにこりと笑ってです、皆に言ってきました。
「観ると幸せな気持ちになれるんだ」
「それが人間ですね」
「人間の感性なんだね」
「そう、だから僕もね」
王様ご自身もというのです。
「今とても幸せだよ」
「そうなんですね」
「王様ご自身もですね」
「とても幸せですか」
「そうだよ」
「僕もだよ」
今度は魚人の王様がにこにことして言ってきました。
「本当にね」
「幸せですか」
「そうなんですか」
「今はとてもですか」
「そうだよ、いつもね」
こうも言った魚人の王様でした。
「人魚の国に来たらね」
「こうしてですか」
「この真珠を観せてもらってですか」
「幸せになられてるんですね」
「魚人の王様も」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「本当にね、いつも人魚の国にお邪魔したら」
「こうしてだよね」
「観せてもらってるんだよね」
魚人の王様は親友である人魚の王様に笑顔で応えました。
「本当に」
「有り難いよ」
心から言う魚人の王様でした。
「本当にね」
「全くだね」
「それとね」
魚人の王様はさらに言いました。
「この真珠を観ると不思議なことがあるんだよね」
「君がいつも言っていることだね」
「観せてもらった夜はとてもいい夢を見るんだ」
そうなるというのです。
「絶対にね」
「そうなんだね」
「そう、本当に不思議なことにね」
「僕は別に」
「私もです」
人魚の王様と女王様は魚人の王様のお話を聞いて言いました。
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