番外 リオINフロニャルド編 その6
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ルトさんの閃衝拳。
だけど、基本はあたしのもっとも得意な木の葉旋風。
これを全て掛け合わせ、昇華させる。
行きますっ!
蹴った地面が抉れ、焼け焦げる。
「ああああああっ!」
その時、あたしは音速を超えたと思う。
右足に集めた雷が光を放ち、昼間だというのに辺りを白く染め上げる。
『雷鳴・旋風衝』
ここ数ヶ月のあたしの集大成である。
「なっ!?」
驚くアオお兄ちゃんの声が聞こえる。
「くっ…」
急ぎ、流で防御力を強化したようだが、あたしの蹴りがその防御を上回った。
ポワンっと消え去るアオお兄ちゃんの影分身。
ザザザーーーーっ
地面を滑りながら減速し、もう一度脚部に力を込める。
そのままイスカさんが相手をしていたもう1人の影分身に向かい二撃目。
つばぜり合いをしていた為にガードが間に合わずに崩れ去る影分身。
さらに着地して地面を蹴ると今度は本体へと翔ける。
あたしの攻撃を察して飛びのくダルキアン卿。
三撃目っ!
行ける!と一瞬あたしは確信した…が、しかし。
無常にもあたしの攻撃は止められてしまった。
「…、すごいな。本体に直接来られたら流石に防御は出来なかったかもしれない。…さすがに三撃目は威力が落ちたね」
くっ…確かにそうだ。
どうしても一撃ごとに威力は下がっていったのは感じ取れていた。
「下がるでござる。リオ殿っ!」
ダルキアン卿の声にあたしは膝を曲げ、蹴り上げるとそのままくるくると後方へと距離を開けた。
「神狼滅牙っ」
着地してダルキアン卿とイスカさんに目をやると二人は山をも越えるほどの大きな剣を輝力で生み出していた。
込められた輝力にあたしはビリビリと衝撃を感じるほどだ。
ダルキアン卿の剣が垂直方向に振り上げられ、イスカさんは凪ぐように水平方向に構えられている。
「「必滅・十文字っ!」」
一瞬イスカさんの斬撃の方が早く動いた。
まずは水平攻撃で退路を断ち、もし飛び上がっても垂直に振り下ろされたダルキアン卿の一撃が仕留めるのだろう。
故に必滅。
しかし…
「………スサノオ」
え?
アオお兄ちゃんが何かを呟いた気がした。
ドドーーーンっ
粉塵が視界を塞ぐ。
【なっ!なんと言うことでしょう。ダルキアン卿とイスカさまの大地を揺るがす一撃っ!さすがのアイオリア殿下もこれはノックアウトかっ!?】
「いや、まだでござる…」
低い声で呟くダルキアン卿。
粉塵が晴れるとそこには大きな上半身のガイコツが何かを守るような格好で現れた。
そのガイコツに阻まれ、二人の剣はアオお兄ちゃんを捕らえられていない
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