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オズのジュリア=ジャム
第十一幕その十
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「お魚がいて妖精さんや天使さんがいて沢山の鳥がいて」
「そうだよね」
「本当に不思議です」
「お空に行ってとても楽しかったよ」
 兵隊さんはこうも言いました。
「また行きたいね」
「そうですね」
「うん、またね」
「機会があれば」
「そうしたいよ」
 是非にといいます、そうしたお話をしてです。
 皆で人魚の国のお外を見回りました、そしてティータイムとなりましたが兵隊さんは皆をある場所に案内してくれました。その場所はといいますと。
 養殖場の近くの洞窟ですがそこに入るとです、兵隊さんはその入口にあった赤いボタンを押しました。すると。
 洞窟の入口を右から左に岩が動いて塞いでしまいました、それから今度は赤いボタンの隣にあった青いボタンを押しますと。
 今度は上から下にです、海水がゴポゴポと降りてです。そうして海水がなくなりました。そうしてなのでした。
 兵隊さんは皆にです、笑顔で言いました。
「ティータイムはここで」
「あっ、ここならお水がないので」
「お茶も飲めますね」
「ええ、陸にいる時と同じくね」 
 ジュリアは兵隊さんに答えました。
「出来るわ」
「そう思いまして」 
 見れば兵隊さんは人間の足になっています、下半身には黒い海パンを穿いています。
「それで、です」
「気を利かしてくれたのね」
「そうなるでしょうか」
「有り難う、それじゃあね」
「今からですね」
「お茶を飲むわ」
 ティータイムを楽しむというのです。
「そうさせてもらうわ」
「それでは」
「ええ、そしてね」
「そのうえで、ですね」
「兵隊さんもどうかしら」
 ジュリアは兵隊さんに笑顔でお誘いをかけました。
「今から」
「私もですか」
「ティータイムは皆で楽しむものでしょ」
「だからですか」
「ええ、どうかしら」
「ご一緒して宜しいのですか」
「そうよ」
 ジュリアは笑顔のままでした。
「だからね」
「そこまで言われるのでしたら」
「皆でね」
「ティータイムを」
「楽しみましょう」
 こうしてでした、皆でです。
 ティータイムとなりました、テーブル掛けから出されたのはロイヤルミルクティーにマシュマロとケーキ、干しフルーツをそれぞれ三段に分けているティーセットでした。
 そのティーセットを一口ずつお口に入れてです、兵隊さんは言いました。
「これは」
「どうかしら」
「はい、とても美味しいです」 
 これが兵隊さんの感想でした。
「とても」
「そうなのね」
「素敵な味ですね」
 ミルクティーを飲みながらの言葉です。
「陸での食事もいいとです」
「思うのね」
「陸地で食べることも多いですが」
 人魚の人達もというのです。
「こちらもですね」
「ティーセットもなのね」

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