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とある3年4組の卑怯者
30 泣虫
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 夜、みどりは自宅の部屋にて今までの自分を振り返っていた。
(私は泣き虫・・・。そういえばそうだったわ・・・。まる子さんの家に遊びに行った時もいつも何かあると私は泣いていた・・・)
 思えば自分はゲームなどをやる時に負けてしまうとすぐに泣いていた。生まれつきそうだった。幼稚園児の頃、それですぐに泣く為、遊んでくれる友達がいなかった。その時はとある一人の気の強い女子のみが唯一自分に接してくれた。だが、小学校へ進学する時は別々の小学校へ通うことになり、その女子との交流も殆どなくなってしまった。それからは自分一人の力で友達を作る事もままならず、祖父の友人というさくら家の孫であるまる子やその姉に世話になる事がある程度だった。
(そうよね・・・。私は折角あの人と友達になれたのだから、泣いてばかりいてはダメだわ・・・。それでは学校が詰まらくなるし、堀さんも私から離れてしまう・・・!!)
 みどりは泣き虫を治したいという思いが強まった。そして窓から夜空を見る。
(この方に堀さんの家があるわ・・・。あの人ともっと友達になりたい・・・!!そして、私はまる子さんや藤木さんがいる学校のように学校が楽しいと思えるようになりたい・・・!!)

 みどりは学校へ走って向かっていた。登校時刻まで余裕はあったので遅刻しそうで急ぐためではない。早く堀と会いたい為であった。今までできなかった学校の友達が初めてできた彼女にとっては、これまでの孤独な学校生活を終わらせ、楽しい学校生活に変わる瞬間だった。

 みどりは学校に到着した。自分の教室がある階がいつもより賑やかだった。そこに堀がいた。他のクラスの生徒に囲まれており、もはや有名な女優が来たかのような人気ぶりだった。転校生の話はあっという間に他のクラスにまで及んでいたのだ。
(堀さん、すごい人気・・・、それに比べて私は・・・)
 みどりは除け者のような扱いだった自分とあれだけちやほやされる堀を比較して、月とすっぽんだと思った。みどりは黙って通り過ぎようとする。しかし、堀が呼ぶ。
「あ、吉川さん、おはよう」
「え、お、おはようございます、堀さん・・・」
 みどりは人がいる中でも自分に話しかけてくれた堀に心の中で感謝した。
(堀さんが私に挨拶してくれた・・・。ありがとうございます・・・)
 
 みどりが教室に入っていく。そして、堀と喋っていた1組の男子が彼女に言う。
「堀、あの吉川にも挨拶すんだね」
「え、ええ、友達だから」
「あいつはすぐ泣くとてもだりー奴だから関わんない方がいいぜ」
「え、でも、同じクラスだし、私は皆と仲良くなりたいの」
 その時、同じ1組の別の男子が言う。
「ウエッ、やめとけ、あんな問題児なんかかと仲良くすんのは!近寄んない方がいいぞ!」
「でも、隣の席だし・・・」
「ウエッ、
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