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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第七話 今との差異
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からトレイを持ってくるのも、机について手を合わせるのも、食べ終わってから手を合わせるのも、空の食器を片付けるのも、それらにおいて彼女達の浮かべる表情には感情がなかった。
さらによく見てみると、食器には光沢のある茶色の塊・ボーキサイトと同じく光沢のある鉄のようなもの・鋼材、食卓には相応しくない先端が鋭く尖った重々しい雰囲気の黄土色の物体・弾薬が載せられていた。
それらが載せられている食器の隣には、黒々とした到底食べ物とは思えない液体が満たされている深めの食器が置かれている。おそらくあれは燃料だろう。
それらの味は少なくとも凰香と防空棲姫、時雨はわからない。しかし初めて食事をした榛名と夕立の反応や目の前の艦娘達の表情を見るだけで決して美味しいものではないことは明らかである。
そんな美味しくもないものを艦娘達は箸やスプーン、中には手づかみで口に運ぶものもいる。食べ方は人によって様々だが、共通して言えることは誰一人として無表情を崩さず、かつ一言も話すことなくそれらを食べていることだった。
誰が見ても明らかな通り、これは単なる『作業』である。
榛名と夕立、海原少将、間宮から聞いていたためにわかってはいたことだが、実際に見てみるとやはり信じがたいものであることには変わりない。
すると新たに駆逐艦の一団が食堂に入ってくる。厨房の方へと近づく彼女達も例外なく無表情を浮かべていた。

「間宮さん、『補給』をお願いします」
「あたしも『補給』お願いします」
「こっちも『補給』お願いしまーす」

厨房に近づいた艦娘達が口々にそう告げ、厨房から出されたトレイを受け取って無表情のまま席へとつく。
そんな光景が何回も繰り返されている。つまりこれは彼女達にとって食事ではなく、燃料や弾薬を取り入れる『補給』なのだ。
それがこの鎮守府の食堂において当たり前の光景なのだ。

「これはさすがに反吐が出るわ」

食堂の中の光景を見た凰香はそう言う。深海棲艦である彼女からしても、この状況を『異常』と捉えているのだから当たり前といえば当たり前である。
そして今、凰香達は艦娘達に対して酷いことをしようとしていた。
美味しくもないものを事務的に取り入れる『補給』しかできない彼女達の前で、味もあり温かい『食事』を自分達はしようとしていた。

「……凰香」
「……うん、誰もいなくなってからにしよう」

防空棲姫の言葉に凰香は頷く。そして他の三人を見た。
他の三人も凰香に同意するように頷く。そして艦娘達に見つからないように食堂から離れようとした。

「提督、そこで何をしているのですか?」

不意に後ろから声をかけられる。
凰香が振り向くと、そこには襟元を開けた白いYシャツの上に白いライ
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