秩序のナイトメア
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に魔導結晶を使って失敗したのだ。そして融合させて安定さえすれば、人間に近い生命体として活動できるようになる。そうそう、言い忘れていたが、こいつには修復したレンズ・ダークを融合させて安定化している」
「レンズ・ダーク?」
「最近よく発生する虚数空間へ通じる穴から出て来たものだ。恐らくこの銃が壊れるまで使われていたものだろう」
公爵が取り出したのは紫と黒いパーツで構成された大型の銃……かつて暗黒の戦士サバタが用いていた暗黒銃ガン・デル・ヘルだった。発見時は所々ひび割れて壊れていたのだが、公爵の手で修復と改修が行われた結果、新品同然の姿を取り戻していた。今ならレンズさえ取り付ければ、太陽銃と同じように使える。尤も、レンズ無しのままじゃ何の役にも立たないけど。
「ところでその銃、どうするの?」
「一応オレでも使えなくもないから携帯しているが……欲しいのか?」
「公爵がいらないなら……まぁ……欲しい、かな? カッコいいし……」
「……そうか、エリオも男の子だからな。見栄えのいい物には惹かれるか。まぁ持ってた所でオレには大した必要性を感じない物だ、譲ってやろう」
というワケで、レンズ無しの暗黒銃ガン・デル・ヘルをもらった。ヒトって自転車のハンドル部分だけとか、持ってる意味があるのかわからない物にも収集欲が働くから、興味深いよね。
「ありがとう。それで話を戻すけど、ゴエティアの以前の身体は人間に近かったの?」
「ああ。だが見た目はともかく本質はゴーレムだからな。体が無機物で構成されている特性を利用し、攻撃を受けて破損してもそこらの土壌から成分を吸収すれば一瞬で再生できる能力があった。まぁ、今はサイボーグになっているから無敵同然のその能力は失われているものの、サイボーグの膂力とバーラーの性能を重ね合わせた能力を発揮できる。……そういうわけで性能は折り紙付きだが、結局どう使うかはエリオの自由だ。とはいえお前の腕を疑うわけではないが、万が一ということもある。実戦に出るなら保険という意味でも連れていくがいい、最低限盾にはなる。あともう一つだけ渡したい物がある、ちょうど新たなデバイスが用意できたんでな、受け取れ」
そう言って公爵は僕に待機状態のデバイスを投げ渡した。受け取った際に違和感を感じたのでデバイスの性能を見た僕は、思わず苦笑した。まさかヴァンパイアソードと同じ材質で作るとは、まさに魔導師キラーな武器だな。
「“ヴェンデッタ”。お前のために用意してやった特別製だ」
「僕のために……」
「お前の実力は鍛えてやった俺が保証する、好きに暴れてこい。……できるな、我が息子よ?」
「息子……! ……あぁ、息子と認められることが、こんなにも嬉しいことだなんて……!」
初めて息子と呼ばれたことで
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