秩序のナイトメア
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回帰が始まれば、僕達の恨みや憎しみだって全て輪廻の中に溶けてしまうのだから。接触者以外は、の話だけど……あれ?
今、ふと思ったんだが、銀河意思ダークは銀河の存続のために、ヒトを滅ぼそうとしている。だったらヒトが神の力を得ることは、むしろ否定的なんじゃないか? 眷属であるイモータル……公爵がやろうとしていることは、見方を変えれば銀河意思への反逆行為にも繋がりかねない。なのに銀河意思は何もしてこない……むしろ、ヒトがツァラトゥストラを使うことを容認している? 接触者の存在は自分に脅威を与えかねないのに……まるで結果を知ってるからこその余裕みたいな違和感が……。
……そもそも銀河意思とは高次元の存在、ヒトという脆弱な種族ぐらい、片手間で消し去れるほどの力があるはず。そう、それはまさに神とも言えるわけだ。ならツァラトゥストラと銀河意思には、何か深い関係があったりするのか? もしや接触者の力を得ることは、銀河意思の支配下に入ることを意味するのか? 確かに接触者がイモータルとなったら、人類にとって最悪の存在となるだろう。……そういえば世紀末世界にはかつて、“キング・オブ・イモータル”という存在がいたらしい。もしかしたら、そいつが接触者の成り果てた姿なのか……?
「ま、真相が何であろうとどうでもいいか。さて公爵、次はどんな手を打つ?」
「ゲイザーらが地上の目を引き付けている間に、今オレ達がいるこの時空管理局本局……その真の姿を知らしめる。“聖王のゆりかご”に匹敵する巨大次元航行艦……かつては星喰いとも呼ばれたそれを、『環境改変システム・ギジタイ』として運用する」
「そしてミッドは闇に包まれる……か。永遠に夜になってしまえば、アンデッドが勝手に浄化されることは無くなるし、エナジー使い達も力を回復出来なくなる。心の支えになっていた者達の弱体化によって、ミッドの人間はこれからゲイザーが公表する例の情報にすがるしかない。じゃあ僕は邪魔にならないように、ここから一部始終を見届けるよ」
「いや、エリオ。お前には地上へ行ってもらう」
「また地上に? 構わないけど、何をすればいい?」
「大したことじゃない、そろそろ挨拶の時期だと思ってな」
「! ……そう。とうとうこの時が来たんだね……」
「ああ、成長したお前の門出だ。それで先日、調整とデータ収集が終わった玩具があってな。餞別として、お前にやる」
尋ねると公爵は部屋の隅にいる何者かに合図を送った。生気を含めて全く気配を感じさせずそこにいたそいつが明かりの下に姿を現すと、僕は眉をひそめた。なにせそいつは、敵である管理局員にして小柄な体躯の茶髪の女性……八神はやてを幼くして髪をロングに伸ばしたような容姿だったからだ。
「そいつは闇の書の被害者が裏で
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