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批判
第四章
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「とんでもない組織になっています」
「そうした組織ともつながりがあって」
「彼等自身過激派の構成員が多いです」
 その新聞自体がというのだ。
「非常に」
「それで県庁にもだね」
「何かとです」
「抗議をしてきているね」
「はい」
 そ通りだとだ、真央は奈良橋に答えた。
「ですからもう話を聞くこともです」
「ないかな」
「そう思います、それにです」
「それに?」
「私達もこのことはわかっていますし」
 その新聞の正体はというのだ。
「そしてそれは私達以外の人も知っています」
「というと」
「はい、県民の方々ひいてはネットを閲覧している県外の方々もです」
「皆がだね」
「知っています」
 その正体をというのだ。
「ネットを通じて」
「それじゃあ」
「放っておけばいいかと」
「もう多くの人が正体がわかっているから」
「話を信じないです」
 県庁への批判もというのだ。
「過激派との関係は調べればわかり」
「ネットでは広まっているから」
「力も失います」
「新聞は真実を語るもの」 
 奈良橋はふとした口調でこの『建前』を出した。
「そうなっているね」
「しかし真実を語らない新聞はです」
「嘘ばかり言っているとだね」
「その報道が偏向し過ぎていたりしますと」
「誰も信じない」
「そうなりますから」
 だからだというのだ。
「力を失います」
「信頼、特に真実を言うべきマスコミにとってはそれが大事だね」
「信頼を大事にすべき世界でそうしたことをすれば」
「力を失うというのだね」
「信頼を失い」 
 肝心のそれをというのだ。
「誰もその新聞を買わなくなります」
「そうなるんだね」
「ですから」
「あの新聞は気にしなくていいと」
「私は結論として思います」
 真央は奈良橋に淡々とした口調で述べた。
「その様に」
「だといいがね」
 奈良橋は真央の淡々とした冷静な口調の言葉にこう返した、彼は真央の言葉はいささか楽観的ではないかと思った、だが。
 一年もすればだ、真央の言った通りその新聞は県の内外からネットを中心としてその偏向報道や極左勢力との関わりを指摘されてだった。
 信頼をなくし発行部数を右肩下がりで落としてだった。そのうえで。
 力をなくした、奈良橋はその状況を見てから真央に言った。
「君の言う通りだね」
「そうですね」 
 職場で仕事がはじまる前にだ、二人は話をしていたが真央の口調はあの時と同じく冷静だった。
「力を落としましたね」
「あの新聞はね」
「日本のマスコミは他人を批判することは好きです」
 自分達以外をというのだ。
「政治家、官僚、政府、企業と何でもです」
「しかし自分達への批判はしない」
「振り返ることはしません」
 反省、
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