第一章
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増えてもいい
廣澤正樹は無類の鳥好きだ、それで彼の家には鳥小屋がありかなり多くの鳥達がそこで飼われている。
その小屋を外から見てだ、母の裕子は眉を顰めさせて我が子の面長で小さな尖りめの口ぶると丸い目を持つ顔も見ながら言った。
「また増えてない?」
「インコ二羽貰ったよ」
実際にとだ、正樹も答えた。黒い髪は前だけ伸ばしている。
「またね」
「そうよね」
「うん、ちゃんと育ててるから」
「今一体何羽いるのよ」
「インコが二十羽で」
まずはそこから話した。
「ジュウシマツが三十一羽、カナリアが十五羽、オウムが十八羽でキュウカンチョウが七羽だね。フクロウも小さい大人しいのが七羽ね」
「多いわね」
「全部面倒見てるし」
「お金はうちはあるけれど」
実は資産家なのだ、それなりの。
「あんた車も買わないで」
「車なんかいいよ」
正樹ははっきりと言い切った。
「歩けばいいから」
「そのお金があったら」
「そう、鳥に使うから」
その金をというのだ。
「そうするから」
「またそう言うのね」
「言うよ、それは」
鳥好きとしてだ。
「やっぱりね」
「やっぱりなのね」
「そう、やっぱりだよ」
何といってもという口調での言葉だった。
「車にもお金使うつもりないし」
「他のことでも」
「鳥が第一だよ」
何といってもとだ、正樹は母に言った。
「僕はね」
「何でこんな鳥好きになったのかしら」
足元の鴨や鶏、家鴨や鶉も見る。彼等もそれぞれ十羽以上飼っている。鶉に至っては二十三羽いる。あと雀がとにかく多く四十羽はいる。
「全く」
「駄目かな」
「駄目じゃないけれど」
それでもというのだ。
「極端ね」
「極端かな」
「極端過ぎるわよ」
極端は極端にしてもというのだ。
「鳥どれだけ飼ってるのよ」
「だから飼えるだけだよ」
「これからもなの」
「うん、そうしていくから」
「まあペンギンはいないわね」
「あれは無理だよ」
流石にこの鳥はというのだ。
「難局にいるから」
「やっぱりそれは」
「そうだよ、流石にね」
「まあ別に誰にも迷惑かけてないし」
あまりにも極端だとは思っているがだ。その巨大と言っていい鳥小屋を見つつ息子に述べた。
「いいけれどね」
「そうだよ、まあ夢はあるけれどね」
「夢?」
「そう、夢はね」
それはというと。
「ドードー鳥を飼いたいけれど」
「もういないでしょ」
絶滅したとだ、母はすぐに言った。
「ドードーは」
「そうだけれどね」
「飼いたいのね」
「そう思ってるよ」
「夢としてなのね」
「こう思ってるよ」
その夢を語る、そうした夢も胸に抱きながらそのうえでだった。正樹は鳥
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