第一章
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「コートが欲しいの」
こうだ。俺を誘う様に微笑んで言ってきた。
「白いね。コートが欲しいのよ」
「どういったコートですか?」
「それはね」
どういったコートか。俺に詳しく話してくれた。所謂ブロンドのとんでもなく高いコートだった。俺にとっては貯金が全部なくなる様な、そんなとんでもない値段のものだった。
けれどそれでもだ。頼まれてはだった。
そのうえでだ。すぐにだった。
そのコートを買った。そのことをだ。
また同僚達は仕事場でだ。こう話してきたのだった。
「おい、コート買ってもな」
「わかってるだろ。結局はな」
「御前に貢がせてるだけだぞ」
「そういうものだぜ」
「だからわかってるんだよ」
またこのやり取りだった。けれどそれでも俺は言った。
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