第五章
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「あるからな」
「それで、ですね」
「知り合いの弁護士さんにも協力してもらってな」
「強く言いますか」
「ああ、さもないと今回もな」
肝心の相談所の方にというのだ。
「手遅れとかになるからな」
「何度もありますからね、こうした話」
「全く、手遅れになってからじゃ遅いんだよ」
社長は苦い顔でこうも言った。
「迂闊に動けないことでもな」
「動かないとですね」
「助けられることも助けられないんだよ」
「それが出来ないと」
「ヒーローじゃないんだよ」
社長が言うそれでばないというのだ。
「そんなヒーローじゃない奴に対する為にな」
「ここはですね」
「政治もやるぞ」
「わかりました」
強い声で頷いてだ、パンサー仮面はこのことについては社長の協力も得た。そうしてだった。
義弘の両親は程なく彼から引き離され彼は近くに住んでいる親戚に引き取られることになった。パンサー仮面はこのことについても言った。
「このこともよかったよ」
「僕が親戚の人に引き取ってもらって」
「いい人達だね」
「はい、養子にって言ってくれています」
その親戚の夫婦からというのだ。
「それでこれからは」
「うん、君はだね」
「そのお家に住みます」
「そしてそのお家も事務所の近くにあったこともね」
このこともというのだ。
「よかったよ」
「そうですね、僕もそう思います」
慎太郎もいて言うのだった。
「小学校もそのままですし」
「これは神様の配剤だよ」
パンサー仮面は心から思った、まさにそれだと。
「義弘君をいじめから解放してくれる」
「僕を、ですか」
「そう思う、そして私は私の務めを果たす」
必ず、と言うのだった。
「これから」
「それは」
「言った通りだ、君にはトレーニングをして食べてもらう」
この二つをというのだ。
「毎日な」
「毎日続けていたら」
「もう君はいじめられなくなる」
両親からそうされた様にというのだ。
「絶対に」
「それはどうしてですか?」
「それはやっていればわかる、私を信じてトレーニングをして食事を続けてくれるか」
「パンサー仮面さんを」
「そうしてくれるか」
義弘のその目を見て問うた。
「君は」
「わかりました」
確かな声でだ、義弘は答えた。彼にとってパンサー仮面はヒーローであり両親の虐待から救ってくれたからだ。
だからだ、彼も応えたのだ。
「それじゃあ」
「ではこれからはじめよう」
「はい」
義弘は頷きトレーニング、プロレスラーの身体を鍛えるそれを子供向けにしたものをはじめた。食事もだった。辛く飽きることもあったがもう二度といじめられたくないと思い続けた。
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