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シャットアウト
第二章

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「一年で五度、呆れるわよ」
「何か告げ口みたいで悪いけれど」
「悪くないわよ、これはね」
「別になのね」
「そうよ、教えてくれて有り難うよ」
 私にとってはだ。
「お陰で真実を知ることが出来たから」
「ならいいけれど」
「それとね」
「それと?」
「私も決めたわ」
 これからどうするかとだ、友達に答えた。
「彼氏持ちとかに手を出したらって思っていたけれど」
「そうなのね」
「そう、もうね」
「決めたから」
 友達にまた言った。
「完全にね」
「それじゃあ」
「今度はね」
 本当にだった。
「そうするわ」
「じゃあ」
「彼と会うわ」
 私が直接だ。
「そうするわ」
「そうなの」
「絶対に治らないから」
 彼のその病気がだ、私も確信した。
「いい加減にってなったし」
「それじゃあ」
「ええ、もうね」
 本当にだ。
「これで決めるわ、一年で五回ってあんまりでしょ」
「もう根っからのよね」
「それじゃあね」
「もうこれでなのね」
「終わりよ、明日彼と会うから」
「そしてなのね」
「終わりにするわ」
 こう友達に言った、そしてだった。
 私は次の日実際にだった、彼氏を大学の喫茶店に呼んだ。昨日は街の喫茶店で今日は大学の中のだった。
 そこでだ、私はコーヒーを前にして彼に言った。
「聞いたわ」
「聞いたって」
「これでわかるわよね」
 彼を強い目で見てこうも言った。
「これで」
「まさか」
「そのまさかよ」 
 自分でも冷たい目になっているのがわかった、言葉もだ。
「本当にね」
「あれは」
 彼は狼狽していた、顔が真っ青になって額に汗が出て来ていた。そしてしまったという表情になっていた。
 その顔でだ、視線を泳がせて私に言ってきた。
「その、何ていうか」
「いいわ、言わなくて」
 彼に言い訳をさせなかった。
「もうね」
「もうって」
「終わりよ」
 私の方から言った。
「これでね」
「終わりって」
「ええ、もうね」
 私は素っ気なく言った。
「そうするわ」
「そんな・・・・・・」
「決めたから」
 また彼に告げた。
「じゃあこれでね」
 ここまで言ってだ、私はコーヒーを飲み干してそうして席を立った。貧乏性か頼んだものは食べるか飲まずにはいられないからだ。
 それでコーヒーを飲み終えて自分のお金だけ置いてその場を後にした、周りには聞こえない様に静かな小声で終始したのもお金を置いたのも最後の気遣いだ。
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