28 転校生
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室に入ってきた。
クラスの児童全員が起立をして礼をする。
「おはようございます!」
全員着席すると、賢島先生が早速喋る。
「今日は早速だが、転校生を紹介する。入ってきていいぞ」
先生に言われてその転校生が入ってくる。女子だった。その女子は髪を肩まで降ろしており、服装は白のブラウスに濃紺のジャンパースカートの重ね着だった。みどりも、他のクラスメイトも驚くくらい の美少女だった。女子は黒板に自分の名前を書き、挨拶と自己紹介をする。
「初めまして。山梨県から来ました堀こずえです。よろしくお願いします」
堀こずえという女子は自己紹介をすると丁寧にお辞儀をした。
「それじゃあ、堀さんはあの机が空いているからそこを君の席にしよう。堀さんがランドセルと帽子をロッカーにしまったら皆、朝礼で校庭に行くぞ」
「はい!」
皆が挨拶をした。
(こ、こんなきれいな人が私の隣の席に!?)
みどりは心臓の鼓動が強く響くのを感じた。堀がランドセルを机に置き、教材を机の中にしまう。
「あ、あの・・・」
みどりは緊張しながら堀に話しかけた。
「え?」
「私、吉川みどりって言います。宜しくお願い致します・・・」
「こちらこそよろしくね、吉川さん」
堀は笑顔で返した。
(ほ、堀さんが私に笑顔を・・・)
みどりは思わず興奮した。みどりは堀と友達になりたいと思った。
休み時間、男女問わずクラスメイトたちが堀の元に集まった。
「なあ、堀!みんなでドッジボールやろうよ!」
「堀さんの歓迎会としてみんなでやろうと思うんだ!」
堀も喜んで答える。
「いいわね、行きましょう!」
みどりはいきなり堀が遠くに行ってしまうような気がした。しかし、堀がみどりに話しかける。
「あ、吉川さんも行こう!」
「え、いいんですか・・・?」
「堀、やめとけよ。こいつは負けるとすぐ泣くからやりにくいぜ」
クラスの男子が堀に忠告した。
「う・・・」
みどりは堀も皆に同調して自分を仲間外れにしてしまうのではないかと不安になった。
「でもクラスみんなでやるんだから仲間はずれがいちゃ可哀想よ。みんなでやろうよ!」
堀がみどりも入れるように懇願した。
「堀さんが言うならわかったわよ・・・」
クラスの女子が承諾する。こうしてみどりもドッジボールをやってもらうことになった。
「あの、堀さん、ありがとうございます・・・」
「いいのよ。負けても楽しめばいいのよ」
「は、はい・・・」
負けず嫌いのみどりには心を落ち着かせる言葉になった。そしてみどりは堀に迷惑かけない為にたとえボールを当てられても、負けても泣かないようにしようと決意して校庭に向かった。
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