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とある3年4組の卑怯者
27 真心(マフィン)
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ー、おばさん!!」
「小杉君、落ち着いて食べてね・・・」
 笹山の母はしょうがないなという顔で言った。これを見た藤木と笹山は小杉がいると、落ち着かないなと感じた。
 
 藤木と小杉は帰宅することとなった。
「笹山さん、今日はありがとう、とっても美味しかったよ」
「あ、ありがとう・・・」
 笹山は藤木に褒められて照れた。
「おう、笹山んちはホントサイコーだな!!次なんかうまいもん作ってきたらまた俺に声をかけてくれよ!!そしたらいつでも食ってやるぜ!!それじゃあ、楽しみにしてるぜー!!」
 小杉は高らかに言ってその場を去った。
「私別に小杉君なんて呼んでないんだけど・・・」
「そうだよね、話を聞いて無理やり入ってきたんだもんね・・・」
 これからは小杉に聞かれないように気を付けようと思う笹山だった。
「それじゃあ、僕も失礼するよ」
 藤木が去ろうとすると、笹山が呼び止めた。
「あ、あの、藤木君・・・」
「何だい?」
「今日は来てくれてありがとう。また何かお菓子作ったら是非藤木君に食べてもらいたいな」
「あ、う、うん、僕は笹山さんが作るお菓子好きだよ・・・。えっと、何ていうのかな・・・?真心がこもっていた気がしたよ・・・。それじゃあ・・・」
「さようなら・・・」
 藤木は帰っていった。笹山は藤木が言った言葉が身に染みた。
 《僕は笹山さんが作るお菓子好きだよ・・・。えっと、何ていうのかな・・・?真心がこもっていた気がしたよ・・・》
 笹山は藤木から言われたこの言葉で自分は藤木にどれだけ好かれているか、改めて感じた。
(真心か・・・。藤木君が私の作るお菓子を気に入ってくれている・・・。また藤木君に私のお菓子食べてもらいたいな・・・。今度は何を作ろうかな・・・?)
 その時、笹山ははっとなぜ昨日から藤木をそんなに意識しているのか、と我に返った。
(もしかして、私も藤木君のことを・・・?)
 笹山はまさか自分も藤木に気があるのか、と己を疑った。
(気・・・、気のせいよね・・・)

 家に帰る途中、藤木は(小杉の邪魔もあったが)笹山と過ごせたことを楽しく、誇りに思った。
(笹山さんのマフィン、美味しかったなあ・・・。それにしても笹山さん、普通ならさくらとか城ヶ崎さんを誘うはずなのにどうして僕だけ誘ったんだろう・・・?確かにあの時、笹山さんが好きだって気付いてもらったからなのかな?もしかして笹山さんも僕の事が好きだったりして・・・!?)
 藤木はニヤニヤしながら歩いていた。
(もし笹山さんみたいな人と結婚したら、毎日美味しい手作り料理が食べられるんだな・・・)
 藤木は笹山と結婚し、笹山の夫になる事を妄想していた。その後、その妄想に気を取られて電柱にぶつかり、いつものツイていない自分に戻ってしまった事は言うま
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