第二章
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「私お姉ちゃんとは付き合わないから」
「私もよ。何で女の子しかも妹と付き合うのよ」
「私男の子が好きだから」
「私彼氏いるから」
二人共こう言い合った。
「そうしたお話はお断りよ」
「こっちもね。ただ何かお姉ちゃんもお父さんもお母さんも」
家族はとだ、伊予はこうも思った。
「しょっちゅう夢に出て来るわね」
「そりゃ家族だからね」
「お互いにっていうの」
「気にかけてるからね」
「夢に出るのね」
「私の夢にもあんたしょっちゅう出るしね」
「そういうことなのね」
伊代は姉の言葉を受けてその姉だけでなく母も見た、父はもう会社に行っていて今は食卓はおろか家にもいない。
「好きっていっても色々で」
「家族同士の愛情だってあるでしょ」
「そうよね」
「ちなみに私は昨日夢に彼氏出たから」
姉は楽し気に笑って自分のことを話した。
「つまりね」
「彼氏の人お姉ちゃんのことが好きなの」
「彼は一昨日私が夢に出たっていうから」
「お互いなのね」
「そうなるわね、いや本当にね」
「両想いってことね」
「そうなるわね」
「いいわね。私もね」
また言う伊代だった。
「早くそうした相手出来る様にしたいわ」
「頑張りなさいね、そっちも」
「あの子が夢に出たらいいのに」
「そう思うならまずアタックしてよ」
「自分のことを好きになるようにしろっていうの」
「そうした方がいいかもね」
姉は笑いながら妹に言って御飯を食べていった、伊予も母に言われて食べた。そうして学校に行ってクラスメイト達に夢と朝の話をすると。
「家族はしょっちゅうよね」
「夢に出るわよね」
「言われてみれば」
「彼氏よりもずっとね」
「そうよね、お互いに気にし合ってるってことね」
要するにとだ、伊予はクラスメイト達に話した。
「家族だから自然に」
「そうなるわね」
「まあ仲が悪い家族はどうか知らないけれど」
「お互いに喧嘩ばかりしてる家族もいるし」
「そんな家族は夢に出ないかも」
「そうよね」
「そうかも知れないわね、ただ何か」
腕を組んで難しい顔になって首を傾げさせてだ、こうも言った伊代だった。
「自分が好きだから夢に出るのか相手の人が好きだから夢に出るのか」
「そのことはわからない」
「そうだっていうの?」
「どっちがどっちか」
「それは」
「本当にどっちかしら」
それはというのだ。
「何かわからなくなってきたわ」
「それそうよね」
「小野小町さんにしても」
「昔はそう言われてたけれど」
「小野小町さんがその人のことを好きでなくなったんじゃ」
「そっちじゃないかしら」
「実際は」
友人達もそこがわからなくなった、どうにも。
「ちょっとね」
「訳がわからなくなってきたわ」
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