第一話
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と嬉しいです。もし手紙の返事が無かったり長く戻らないようだったら……学院に行ってしまいますから。」
「僕も勉強や教えてもらった剣術とか毎日かかさずやるから。だから僕の方も成果を見てくれると嬉しいかな……。」
「……手紙は必ず確認し返事を送ります。あと王都に戻るのは日程を見ると忙しそうなので確約は出来ませんが時間が取れたら可能な限り戻るつもりです。その時は稽古等をを行う事もできると思います。」
「絶対ですよ?約束しましたからね?」
「楽しみにしてるよ!」
最初は落ち込んでいたもののたまに帰るという望みに前向きな答えを貰い満足したようだ。
この二人はカイムがまだ貴族として王都に居た時から彼に懐いており、それに加えアルフィンは誘拐から守ってくれた事、そして改めて共に過ごした事により身内以上の感情を彼に向けていた。
故に彼のトールズ入学が決まった時は一番反対しており、オリヴァルトの『ある一言』を言われてようやく納得したのだ。ちなみにこの一言はこの場ではカイム以外は知っていたりする。
「さて丁度夕食時だ。明日は早い、ここまでにしよう。」
ユーゲントの一言でこの場はお開きとなり、夕食を終え入学式の為の最後の準備も終わらせカイムは眠りについた。
そして次の日の朝、カイムの出発にオリヴァルト、アルフィン、セドリック、そしてオリヴァルトの護衛であるミュラー・ヴァンダールが見送りに来ていた。
「では行って参ります。」
「カイム、いってらっしゃい。」
「体には気をつけてくださいね?」
「向こうで良き友人が出来たら是非報告してくれたまえ。あ、友人じゃなくて恋人でも「お兄様?」……ま、まあとにかくいい便りを楽しみにしているよ。」
「余計な事を言うからだ馬鹿者め。……日々の鍛錬と勉学を怠るなよ?そうすれば何であれお前が不覚を取る事はない。」
「ありがとうございます。では。」
そう言い、最後に一礼をしカイムはトールズ士官学院のある近郊都市トリスタ行きの鉄道に乗る為にヘイムダル駅に向かった。
本来トールズにはない“深紅”の制服を纏って。
かくして嘗て神々の闘争に参戦した戦士の物語は再び動き出す。
その身の内にクリスタルの輝きを宿して……。
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