第一話
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「他の戦士たちも彼もそれぞれの世界で仲間を見つけていた。きっと支えてくれる仲間に再び巡り合える。
それに失ったのではなく忘れただけ、強い思いがあればそれを感じた我等がクリスタルを通して必要な力を目覚めさせてやることも出来る。」
「……そうですね。」
そう言い、コスモスはある世界の命の環に彼の魂を乗せる。
「再びあなたを戦いに向かわせる私達のことは許さなくてもいい、ただその世界の人々の為にまた力を貸して下さい。
そして、願わくば今度こそその手に幸福を手にする事を祈っています。」
彼は夢を見ていた。
十年程前に起きたとある出来事をきっかけに見るようになった夢だ。見たこともない世界で見たこともない敵と戦い続ける夢、その戦いは常に過酷だった。
だが彼には仲間がいた、共に支えあい肩を並べる仲間が。その仲間達は会った事もない筈なのに見ているととても懐かしい気持ちになった。
そしてその世界で敵対していた神を倒し、その仲間達と別れた後は決まって自分が仕えていた女神の言葉。
『再びあなたを戦いに向かわせる私達のことは許さなくてもいい、ただその世界の人々の為にまた力を貸して下さい。
そして、願わくば今度こそその手に幸福を手にする事を祈っています。』
「ん……」
そして目が覚める。戦いの内容は毎度異なるが終わりはいつも同じだった。
「またあの夢か、もう何回目だろうな。」
ただの夢にしては余りにもリアルな光景に胸に飛来する様々な感情に最初は恐怖すら感じたものだが今ではもう慣れたもので例え自分に関係があってもそれはそれ、今は今と割り切っていた。
そのままベッドの上で伸びをし、彼――カイム・グレイス――はトイレと洗顔を終えてから着替え始めた。
エレボニア帝国帝都ヘイムダルの中心にそびえるバルフレイム宮。その中の一室にてカイムとエレボニア帝国の皇族の一人、オリヴァルト・ライゼ・アルノールが会話をしていた。
「いやーいよいよ明日だね、君がトールズ士官学院に入学するのは。明日からこの紅茶とお茶菓子、そして君との時間を楽しめなくなると思うと胸が張り裂けそうだ。」
「相変わらず表現が大袈裟ですね、ほかにも腕利きはいるでしょうし会話なら自分なんぞよりもご家族やミュラーさんの方が楽しいでしょう。」
「今この城には君以上の料理人はいないよ、序でに言うなら同じく君以上の武人もいないさ。ミュラー君ですら君には勝てないくらいだからね。そして悲しい事を言わないでくれ、僕は君の事は弟のように思っているしそれと同じ位に愛しているんだよ!」
「それ前後が逆では……?そして自分に同性愛の気はありません。」
「
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