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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
ネコミミと劣化竜
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結するんだよ』

「奴隷という未成熟な制度を導入してる割には、戦争のシステム自体は近代的なのだな」

『お互いとことん殺し合いをしてる場合じゃないからね、どちらも国力が傾く程戦争しちゃうと、外敵から国を守る事が出来なくなっちゃうから……』

「外敵? それは……どういう事だ?」

『君が想像しているよりもこの世界はもっと混沌としてるって事さ、その辺りも含めて、見聞を広げる為に近隣の様子を確認してみたらどうだい?』

「実際に見て来いという事か」

『どっちにしても現状じゃここで生活していくには何もかも足りなさ過ぎるし、外界と無縁で生きていくというのは無理があると思うんだ』

「それはそうか……しかし」

『だーいじょうぶ、その辺りの知識……周辺情報とか、常識的な部分は僕が都度知らせるとかサポートするからさ』

「ならこの少女の件にしても、魔法の事にしても最初に情報を寄越せば良かったでは無いか」

『んー……君は誤解しているけど、僕はあくまでナビゲーターだからね、君が求めれば情報を検索したり周囲の観測はするけど、基本自主的に行動する事は出来ないから、君が命じたり、何か行動してくんなきゃ僕には何も出来ないよ』

「あくまで情報提供アプリという事か……」

『高度に進化した、ある程度ユーザーの情報を鑑みて予測を行うコンシェルジュ、それが僕さ』


 物は言い様だな、結局は人間臭い物言いや出してきた情報も、こちらの行動と会話から次に必要とされる物を予想して提供した結果という訳だ。

 何と言うのか中途に人格がある風に見せるのは、そういう風に接するという製品仕様が集めた情報の中に紛れ込んでいたのか? どちらにしてもこれから先はその辺りの事も考慮して動く必要がありそうだな……


「ここで出来る事はそう多くないのは確かだな、最低限の情報があるなら周囲の事も知っておく必要は確かにあるかも知れん……」

『周辺情と言う事なら近隣に邑は二つ、後は街道も一本通ってるね』

「街道? ふむ、確かに集落があるなら道が通っているのは道理だが、交通量はどの程度の物になるんだ?」

『君のイメージし易い言い方をすると、ド田舎のバス停に書いてる時刻表程度の交通量みたいな状態かなぁ』

「微妙に判断し辛い表現はするな、ちゃんとした数字を出せ」

『数字? えーっとここ10日の平均で出すと、徒歩での移動者は五組程度、馬車なら十台辺りかなぁ』

「馬車……中世なら移動手段はそうなるか」

『厳密的には馬じゃないけどね、まぁイメージ的には馬車で合ってるよ』

「またファンタジー変換か、ふぅむ、いきなり集落に行くというのもアレだし、一度街道を行く者達の様子を伺って色々判断するのも良いのかも知れん」


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