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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
ネコミミと劣化竜
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た結果だから、そっちはただデータの受け取りと処理しているだけだから』

 そう言われればそうなのだが、何かそれを肯定するのは癪に障るな。

『酷いなぁ、僕はこんなにも一生懸命なのに』


 取り敢えず右も左も判らない状態なので、電脳通話をずっと繋げたままだが、このままだと思考がダダ漏れと同じだからな、追々と脳波通信の頻度は少なくしていった方がいいかも知れんな。


「では食事にしようか」

「はい、どうぞお召し上がり下さい」

「頂こう……ん? どうした少女よ、そんな所に突っ立って」

「へうっ、え……えっと、お邪魔でしたでしょうか、もしやアリィは部屋の外で控えていた方が宜しいですか?」

「うん? 何を言っているのだ少女よ、部屋の外って……君は食べないのか?」

「え!? いえアリィは魔王様がお食事をなされた後にでも」

「……それでは二度手間になるのではないか? もし君が空腹では無いというのなら仕方が無いが」

「そんな!? 魔王様と同じ食卓にアリィが着くなんて恐れ多い!?」

「待て、待つのだ少女よ、何と言うかアレだ、そんなに気を使われると罪悪感が半端無いと言うか、私的に納得いかないと言うか」

「でもアリィの様に卑しい者が魔王様の側女(そばめ)として働かせて頂いてる事自体恐れ多いのに、それ以上は……」

「卑しい者? いや君は一体何を言っているのだ?」

「へぅぅ……それは……、アリィは奴隷階級の者ですので……その……」

「ど、奴隷?」

「……はぃ」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「しかし文化レベルも中世的なら、モラルや価値感も中世のそれだったとはな」

『だから言ったでしょ、この世界はバリバリの封権社会がまかり通ってるって』

「そして労働階級の者は支配者階級の者から所有物として扱われ、奴隷制度は当たり前の様に社会に組み込まれていると」

『だから今回の様に人身御供に差し出されるのは、彼女の様な奴隷階級の者になるのは当然なんだよ』


 結局あれから少女を説得し、同じ食卓に着く迄には冷えた食事を暖め直す必要がある程には時間が掛かった。

 取り敢えず彼女が居た邑と言うのは、フォルテ曰く、この世界では極一般的な規模の集落であり、そこには邑長と呼ばれる代表者を筆頭に、元々そこで暮らす邑人と、足りない労働力を補う形で国、若しくは商人より購入した奴隷という存在が邑社会を形作っているコロニーなのだという。


「聞く所によると彼女は戦争の賠償として国に売られたと言っていたが……」

『この世界は争いが頻繁に起こっているけど、互いに滅ぼす程の戦争は滅多とないからね、ある程度の勝敗が着けば、賠償という形で後始末が行われ、国同士の争いは終
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