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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
ネコミミと劣化竜
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…」


 魔法、そう今この地球上ではそんなファンタジーな技術が蔓延していた。

 ネコミミ少女が使った物の様に、または水を生み出したり、風を起こしたり、物を凍らせたりと、現在地球を支配している生物達は物理的法則を捻じ曲げる手段を以って、この地上を支配していた。


 その原因を手繰れば元々は人類を滅亡させた例の病原体が原因ではとフォルテは予想していた。

 元々自然環境へ致命的な汚染を拡大させず、人間のみを殺すという目的で調整をされていたバイオ兵器研究は中途な形で終焉を迎えた。

 それは本来意図した形で地球へ蔓延し、人に寄生した上で脳細胞を食い散らかして破壊するという形で被害の拡大を防ぐ仕組みになっていた。

 しかしそれは人に近い動物を死滅させたが、ある意味エサが無くなった為にその病原体の殆どは死滅、僅かに残った物は変異する事で環境に溶け込み、進化というべき形で今はこの地球に蔓延している。


「魔素……と言ったか」

「はい、アリィは魔王様と違ってちょっとした種火を起こしたりしか出来ませんが……」


 細菌は他の動植物へ寄生し、食い殺すのでは無く宿主と同化、生きる為に便利な形で進化を促し、この世界に同居する道を選んだ。

 多くは空気に蔓延し、元素と見紛う程に変質した。

 他には生物に寄生し、宿主をより強い生物として変質させ生存競争に生き残る特質を持たせた。


 魔法とは、寄生したそれらが空気中、若しくは物質に溶け込んだ細菌だった物へ働き掛け、反応する事で物理現象を引き起こし、道具も使わずに生物の暮らしの水準を上げる事に寄与していた。


「少女はその……、先天的に火が使えるのであったか」

「はい、ですのでアリィは邑では料理を担当する事が多かったんです」

「他にはその、水を生み出す者もいたのであったな」

「ですね、邑の半分以上は魔法の素養がありましたけど、お役人様みたいに凄い魔法を使える人は居ませんでした」

「役人とはそれ程凄い魔法を使うのか?」

「私は見た事が無いんですが、人を包んでしまう程の火を使ったり、家を流してしまう程の水を呼ぶ方もいらっしゃるとお聞きした事があります」

「それは……凄いな」

「でもでも、魔王様程の凄い魔法ならお役人様の使う魔法よりももっと凄いと思います!」


 そう、今私に降りかかっている数々の中で、最も問題となっているのは魔法と言う存在である。

 それは間違いなく体に寄生した細菌と、元々細菌であった元素が反応して物理法則を発生させるのは間違いないらしい。

 フォルテが長年観測し、結論付けたのは、寄生された生物と細菌の親和性が、空気中の元素に及ぼす精度、範囲に繋がっているのではという予想を立てて
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