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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
ネコミミと劣化竜
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てのはどうかな、で、暫く様子見してる間に彼女達が言う魔王ってどういう存在なのかという伝記を僕が検索しておくから、それまで話を合わせてみれば?』

 いやしかし魔王だぞ? 魔王とはあれだ、魔の王様という事では無いか? ただの人間の私がそんな存在として振舞うのは無理があるのでは無いか?

『もし無理と判断したらその時は改めて逃亡するなりなんなりすればいいさ、何せ僕がサポートするんだ、その辺りは大丈夫でしょ』

 ……ぬ、ぬぅ、しかしだな……

『て言うかここで君が魔王じゃ無いって言ったとすると、逆にマズいんじゃないのかなって思うんだけど?』

 !? そうだった……確かネコミミ騎士は魔道師がどうのこうのと言っていたな、ぐぬぬ、それも何だか不味い気がする、何だこの八方ふさがりな状況は。


「……そこの御仁よ」

「う、うむ? 私の事か?」

「改めて問おう、貴方はこの者達が言う様に、"草原の魔王"その人なのだろうか」

「い……いやそれはだな、ぐぬぬ」

『ほらほら、そこで詰まってちゃどうしようもないよ、ここはパパっと言っちゃいなよ、ほら、その子(ネコミミ少女)に言った時と同じ言葉をさ』

「ぬっ……くっ……わ我は……」


 またあの狂人染みた言葉を口にしなければならんのか、何の罰ゲームというのだこれは……


「我は魔王である、我を崇めよ」


 こうして取り敢えず私は魔王(仮)として振舞いつつも、この世界での居場所を確保する為に虚無の情報を口にする事になったのだが、まさかこの安易な行動がこの先己へ苦難を呼び込む事になろうとは、ついぞ思ってもいなかったのである。



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