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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十七話 決戦
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まりを待つ。

 戦闘開始の合図はケースバイケースだ。
 
 試合形式であれば、開始の合図をデバイスやアナウンスが入るけど、これはそういうものじゃない。

 全身の血流が早まる。

 戦いを求める強い衝動を必死に抑えて、眼前の敵を睨む。

 右手だけで剣の柄を握り締め、左手を脱力したように垂れる。

 左側が隙になりそうだと思いつつも、そこは罠だと見るべきだろう。

 俺だって銃を右手だけで握って、左手は腰に添えて、そこを狙ってくるように仕向けている。

 開始前から、すでに戦いは始まっていたんだ。

 あと一つ。

 明確なスタートの合図があれば、戦いは始まる。

 ――――引き金のタイミングを間違えるな。

 距離はそのまま優劣の差だ。

 しかし、一発の弾丸を外すことは相手に一発分の余裕を与えることになり、俺は一発分の隙を生む。

 それが生死の分け目。
 
 相手にも言えることだ。

 飛び出すタイミングを間違えれば、俺は銃口の向きを変えて対応できる。

 全てはタイミングだ。

 互いに別の構えで、初撃の機会を探り合う。

 俺とアイツは無数の弾道、斬線を描き、それに応じる無数の弾道と斬線がまた走る。

 僅かな動作の気配はただそれだけで相手に意図を察知され、その動きは封じられる。

 その繰り返しを続けているうちに――――

「ショットっ!」

「ちぇあっ!!」

 二人は同時に動いた。

 弾丸と横薙ぎの一閃が直撃し、爆発する。

 爆風が視界の先を埋め尽くす中、俺はすでに銃口の先に魔力を収束させていた。

 更に自分の周囲に黒の魔力弾を大量に生み出し、防御と攻撃、両方の準備を終えた。

「おらぁっ!!」

 爆風から飛び出したアイツは、刀身に漆黒の炎を纏わせて勢いよく振り上げ、俺の前に迫ったところで力任せに振り下ろした。

 弾幕との衝突による新たな爆発。

 しかし構わず振り下ろし続け、第二第三の弾丸を切り裂きながら俺の眼前に刃が迫る。

 俺はそれに向かって銃口を向け、その先に溜めた魔力を放出させた。

「ディバイン・バスターっ!」

 黒の砲撃はアイツの剣と衝突し、激しい火花と衝撃波を広げる。

 衝突は僅か数秒で霧散し、俺は再度周囲に展開させた魔力弾を操作し、アイツに向けて放つ。

「ブラックダスト・メテオールっ!」

 放たれた黒き流星。

 それに対してアイツは回避や切り払うことを選ばず、その場で停止した。

 まさか直撃するつもりか?

 そう思った俺の予想通り、すべての弾丸はアイツの全身に直撃――――しなかった。

「っ!?」

 アイツの全身から湧き出た漆黒の
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