B・W編
歓迎の町ウイスキーピーク
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少し引いていた。
「な、ならば無事、王女を救出し、国へ送り届けてくださればこの話は確約いたしましょう!」
「なるほど。まずは王女を助けろってことね」
取引は無事成立する。
しかし、お金のことになると途端、人が変わるナミには毎度驚かされるものである。
『さァ!行きなさい、ゾロ!!』
ゾロが行くんかーい、心のなかで突っ込むアキト
「行くか!?手前ェが行けや!!」
「ナミが行くんじゃないのか?」
「行かないわよ。そういう力仕事は私の仕事じゃないもん」
いや"もん"って
少し他力本願すぎではないだろうか。
「ちょっと待てや、手前ェ!何で俺が行かなきゃならないんだよ!?」
「あんた忘れてない?私にローグタウンでお金を借りたこと」
「……!?あのお金ならお前にそのまま返したんだからいいだろうが!」
どうやらゾロはローグタウンにてナミからお金を借りていたようだ。
思えばそんなことを言っていたような気もする。
「駄目よ。私はあんたに前もって利子3倍って言ったはずよ。まだあんたから20万ベリー返してもらってないわ」
「そりゃ屁理屈だろうが!?」
屁理屈にもほどがある。
ただナミが言うと不思議と屁理屈と感じられない。
「屁理屈と言ってもらっても結構……」
「認めてんじゃねェか!?」
「それよりもあんた、男のくせに"約束"の1つも守れないの?」
ゾロの心にナミの言葉が深く突き刺さる。
アキトはナミの詐欺まがいのゾロへの要求に引いていた。
否、ドン引きしていた。
無意識にナミから少し距離を取る。
「分かったよ!行きゃいいんだろ、行きゃ!?手前ェろくな死に方しねェぞ!!」
「そうね、私はろくな死に方しないわ。それよりもさっさと行きなさい」
遂に折れるゾロ
憤慨しながらも王女ビビの救出のためにこの場から離れていく。
アキトはナミにドン引きだ。
「よし、これで何とかなるでしょ。……ってアキトどうして私から距離を取るの?」
「いや、ナミに少し引いた」
「……!?勿論、アキトにはあんなことしないわよ!?」
ナミはとても狼狽えた様子でアキトに詰め寄った。
とても必死な様子である。
「いや、分かってるけど。ちょっと引いた」
「アキトに本気でそんなこと言われると結構傷つくから止めてくれない!?」
本気で傷ついた顔を浮かべるナミ
先程、ゾロと話していた彼女とはえらい違いだ。
「いや、まあ、うん」
困ったようにアキトはそっぽを向き、頬を掻く。
ナミに今なお視線を合わさない。
「何その曖昧な返事!?」
「いや、冗談だから、冗談。だからそんなに必死にならなくても
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