第十幕その十一
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「私もそれならとなりまして」
「プロポーズを受けてですか」
「嫁がれたんですか」
「そうなんです、もう本当に積極的で」
何かおのろけになっていますがさらに言うのでした。
「私も本当に」
「いいねえ、こういうのってね」
魚人の王様がここで言いました。
「私も妻とは恋愛結婚でね」
「魚人の王様もですか」
「そうなんですね」
「そうだよ、幸い子宝にも恵まれてね」
こう五人にお話するのでした。
「二十人いるんだ」
「うわ、それは多いですね」
「五十人ですか」
「それだけおられるんですか」
「うん、ちなみに私達魚人や人魚は卵を産まないよ」
魚人の王様は皆にこのこともお話しました。
「君達と同じで赤ちゃんを産むんだよ」
「あれっ、お魚でもですか」
「卵を産まないんですか」
「赤ちゃんを産むんですか」
「そうだよ、卵胎生といってね」
そうした体質だというのです。
「それでね」
「卵じゃなくてですか」
「赤ちゃんをそのまま産むんですか」
「身体の中で卵を産むけれど」
それでもというのです。
「身体の中で孵化するんだ」
「それでその赤ちゃんを産むんですね」
「身体の中で孵化させて」
「そうしてですか」
「そうだよ、海では鮫とかがそうだね」
このとても怖いお魚もというのです。
「あのお魚はいつも泳いでいないといけないけれどね」
「そうして赤ちゃんを産んで、ですか」
「泳ぎながら」
「そうするからですか」
「そうだよ、そして僕達もなんだ」
魚人も人魚もというのです。
「そうした身体の仕組みなんだ」
「卵胎生ですか」
「そのまま赤ちゃんを産むんですね」
「そうした体質ですね」
「私達は人間と魚の二つの特性を持っていってね」
そのこともあってというのです。
「こうしたことも出来るんだ」
「そうですか、わかりました」
「そうして赤ちゃんを産むことも」
「よくわかりました」
五人は魚人の王様の言葉に頷きました、そのうえで今度は人魚の人達もご馳走を食べるのでした。この時も皆で。
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