第十幕その二
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「確か欧州の北の方にいて今はもういない」
「そう、あのオオウミガラスよ」
「オズの国にはオオウミガラスもいるんですね」
「ペンギンだけでなくね」
「そうなのよ」
「ドードー鳥やモアやリョコウバトだけじゃなくて」
「あの鳥もいるのよ」
オオウミガラスもというのです。
「そうなのよ」
「そうですか」
「人懐っこい鳥だから」
「近くに寄ってもですか」
「何もないわよ」
「それじゃあ今から」
「どちらにしてもこれから海に入るわよ」
このこともです、ジュリアはお話しました。
「人魚の国に入るから」
「そうでしたね、それじゃあ」
「今からオオウミガラスのところに行きましょう」
「わかりました」
神宝が頷いて他の子達も続いてでした、皆でオオウミガラス達のいる岸辺に行きました。するとジュリアの言った通りにです。
オオウミガラス達が寄ってきました、五人はその彼等を見て思わず笑顔になりました。
「可愛いね」
「そうだよね」
「人懐っこくて愛嬌があって」
「見ていて和むわ」
「落ち着く感じよ」
「そうだよね、こうした人懐っこさもいいんだよね」
モジャボロはオオウミガラス達の頭を撫でつつ五人にお話しました。
「オオウミガラス達はね」
「ですね、ペンギンに似てますけれど」
「歩き方も外見も」
「雰囲気も」
「ですがペンギンとまた違った愛嬌がありますね」
「可愛さも」
「そうだよね、本当にね」
さらに言うモジャボロでした。
「オオウミガラスにはオオウミガラスのよさがあるね」
「そうですね、いい鳥ですね」
「マスコットみたいな感じがするね」
「本当に」
「それとね」
ここでモジャボロは五人にさらに言いました。
「ここにはもう一種類いい生きものがいるよ」
「いい生きもの?」
「といいますと」
「海を見て」
モジャボロはこう言って海の方を指差しました、するとです。
十程ぷかぷかと大きな転覆した船みたいなものが浮かんでいました、五人はその浮かんでいるものを見てまずは首を傾げさせました。
「あれ何かな」
「転覆した大きなボートみたいだね」
「けれど見た目ボートじゃないね」
「じゃあ何かしら」
「出ている部分はお肌みたいだけれど」
「あれはカイギュウでね」
ここでモジャボロは海にいる生きものが何であるかを言いました。
「ステラーカイギュウだよ」
「あれがですか」
「大きなボートが転覆して浮かんでるみたいですけれど」
「あれがステラーカイギュウですか」
「首も何も見えないですが」
「そうなんですね」
「そうだよ」
モジャボロは五人ににこりとしたお話しました。
「あれがね」
「見ておいてね」
ジュリアも五人に言います。
「確かに浮かんでいるけ
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