四 毒媒蝶
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
成長を遂げていた。
「ここから砂まで二日半はかかるからな。急ごう」
カカシの言葉に応じて、テマリを加えた部隊は再び、砂隠れの里を目指した。
ちょうどその折、里からおよそ半日の地点で意識不明のカンクロウが発見され、サソリによってバラバラにされた傀儡と共に回収される。
砂隠れの医療忍者に解毒不可能だと判断されるものの、比較的早く意識が戻ったカンクロウが得た情報を聞いて、バキは顔色を変えた。
手術室を後にしたバキは酷く険しい顔で、足早に廊下を進む。
「あの方達に…あのご姉弟に相談するしかあるまい。だが…素直に出てきてくださるかどうか…」
重厚な扉の向こうで、泉に釣り糸を垂らす隠居した姉弟。
年老いた弟が、訪問者の気配に気づいて、立派な白眉を片方吊り上げる。
「おや、誰か来たようだな」
泉を挟んで、向かいの姉に呼びかけるも、返事は返ってこない。
一向に身動ぎしない姉に「死んだか?」と弟のエビゾウが呼びかける間もなく、釣竿がゆっくりと泉へ。
落ちる寸前、大きくしなった。
「なぁーんてな、死んだふり〜!」
やーいひっかかったひっかかった、とばかりに、お茶目という言葉では聊か限度があるボケをかました姉のチヨに、エビゾウは大きく肩を落とした。
毎回、リアルな死んだふりをかますのはやめてほしい。齢が齢だけにこちらの心臓に悪い。
「ご姉弟…お二人にお力をお貸し頂きたく、参りました」
訪問してきたバキに、最初こそ静観の態度を崩さなかった砂隠れの里の相談役のチヨとエビゾウ。
かつて熟練の傀儡師・凄腕の軍師として忍び世界に名を馳せた姉弟は、次のバキの一言で目の色を変えた。
「暁のメンバーの一人に、お孫さんがいらっしゃいます」
実際に対峙し、毒を注入されたカンクロウから得た衝撃的な情報。
彼の実の祖母であるチヨは、明らかとなった孫の所在に、眼に見えてうろたえた。
かつて砂隠れで傀儡部隊の天才造形師と謳われた『赤砂のサソリ』。
彼が里を抜け二十数年、ようやく掴んだ孫の居所が、現在『暁』の一員であるという酷な真実を耳にして、チヨは目元を伏せる。
釣り糸を垂らしていた泉に波紋が幾重にも広がって、そして消えていった。
無事、砂隠れの里に辿り着いた木ノ葉増援部隊。
いきなり『木ノ葉の白い牙』と勘違いして、カカシに襲い掛かったチヨとの騒動があったりしたが、医療忍者であるヒナタが早速カンクロウを診る。
いのは助手として付き添い、阿吽の呼吸で二人は協力してカンクロウから毒を抜いた。
薬草に関
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ