支配の終わり
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
蹂躙
圧倒的暴力による蹂躙劇が続く。
アーロンとアキトの戦闘はもはや戦いと呼べるものではなかった。
アキトによるワンサイドゲームが変わらず続いていた。
長年ココヤシ村を恐怖に陥れ、苦しめてきたあのアーロンが為す術なくやられていることにナミ達は信じられなかった。
煙が晴れると満身創痍のアーロンと無傷のアキトの姿があった。
アーロンの姿は酷いもので至る所から血を流し、自慢の長鼻は途中で折れ曲がっている。
これでは傷の無い箇所を探す方が難しい。
両者の間には埋めようのない絶対的な実力の差が存在しており、勝敗は誰の目に見ても明らかだ。
奇しくもアーロンがココヤシ村を偶然、襲撃した時と同じ状況がナミの前で起きていた。
予期せぬアーロンの8年前の襲撃、アーロンの予期せぬアキトの襲撃
ナミはアーロンを圧倒するアキトの姿に愛するベルメールさんの姿が重なって見えた。
ただ一つ異なることは圧倒しているのはアーロンではなく、アキトであることだ。
アーロンの剛腕による攻撃を躱し、アキトがアーロンの顎を蹴り上げる。
軽い脳震盪に襲われ、ふらついたアーロンの顔面を掴み地面に叩き付け、アキトはアーロンパークへと放り投げた。
冷めた目でアーロンを見下ろすアキト
魚人至上主義を掲げるアーロンにとって、自分達魚人を見下すように見下ろすアキトの視線が我慢ならなかった。
「舐めるんじゃねェ、下等種族風情が!!」
吠えるアーロン
口だけは達者であり、アーロンの身体は傷だらけで説得力は皆無である。
「どんな気分だ?これまでこの島の人達に行ってきたことが自分に返ってくる気分は?」
アキトはアーロンに淡々と語り掛ける。
「っ……!!」
自分の今の状態に何も言えないアーロン
ただ、目の前のアキトを睨みつけることしか出来ない。
推測の域を出ないが、アーロンがここまで人間を憎むのには何か理由が有るのかもしれない。
だが、アキトは彼の過去を何も知らない。
ここまで人間という種族を憎悪し、狂気に身を落とすような悲惨な出来事があったのかもしれない。
しかし、だからと言って何の罪もないナミやこの島の人達を苦しめていい理由にはならないはずだ。
「吠えるな! 人間!! 俺達はこの東の海を足掛かりにアーロン帝国を築き、魚人至上主義の国を作り上げるのだ!!」
アーロンは魂の叫びを上げる。
叫ぶと同時に眼前の敵に向かい満身創痍の体とは思えないほどの速度で駆け出す。
これまでのアローンとは思えないほどの速度だ。
しかし、いくら速くても所詮は東の海レベル
アキトにとって歩いているのと大
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ