アーロンパーク
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いた。
彼らの顔に浮かぶは驚愕の表情
ある者は口を大きく開け、ある者は瞳孔を大きく見開いている。
「我々は夢でも見ているのか?」
「何という強さだ。あの魚人達が手も足も出ないなんて……」
村人達は誰もが目の前の光景に驚愕を隠せなかった。
「……凄い」
ナミも眼前の光景に言葉が出なかった。
これまで自分を苦しめてきたあの憎きアーロン達がアキトの手によっていとも簡単に潰され、血の池に沈んでいく。
アキトはまるで作業の様に淡々と魚人達を殲滅し、容赦することなく魚人を撲滅していく。
恐らくアーロン以外の魚人は生きてはいないだろう。
ナミは眼前に広がる光景が真実なのかを何度も心の中で反芻する。
だが、幾度確認しても目の前の現状は事実であり、本当にアーロンによる支配が終わるのだとナミは確信にも似た思いを感じずにはいられない。
「─」
未だ眼前の光景を受け止めきれないナミは呆然とするしかない。
アーロン達を凌駕するアキトの想像以上の実力に驚嘆するほかない。
だが、それよりも─
─何故、初対面である自分の為にここまで彼は尽くしてくれるのだろうか─
ナミはそう思わずにはいられなかった。
聞けば彼、アキトは偶然この島へ訪れた外部の人間であるとのこと
ノジコは彼に食事を振る舞い、この島の現状を説明したらしい。
勿論、ノジコはこの島から即刻立ち去るように忠告し、実際にアキトはその場から立ち去っていた。
しかし、彼は何を思ったのかこの島を立ち去ることなく、魚人達と対面している。
恐らく彼が自分達をアーロンパークから立ち去るように忠告したのも、これ以上村人に被害が及ばないようにするためだろう。
これまで求めた救いの手は全て潰され、アーロンに服従するしかなかった。
頼みの綱の海軍でさえあの始末
あの日、突如として訪れた絶望は、突如として一人の少年の手によって覆されたようとしている。
─本当に人生は─
「本当、人生って何が起きるか分からないものね……」
ノジコがナミの気持ちを代弁する。
見ればどこか呆れた表情を彼女は浮かべていた。
「ノジコ……」
そうだ。
ノジコの言う通りだ。
偶然この島を訪れたアキトの手によっていとも簡単に魚人達の支配が終わろうとしている。
驚くなというほうが無理な話であろう。
「ええ、そうね。本当に何が起こるか分からないものね」
ナミはそう答えることしか出来なかったが、どこか憑き物が落ちたような表情をしている。
ナミとノジコの2人は今はただアキトと魚人達の戦闘の成り行きを見守ることにした。
これで残るはアー
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