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世界に痛みを(嘘) ー修正中ー
この世界で生きる
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自分では鍛え続けたとしても限界があっただろう。

「ああ、まあな」

何か悲しくなるな……

 どうやら自分はシャンクス達とこの島で過ごす日常を思っていた以上に気に入っていたようだ。
 感傷に浸るアキトに背を向け、シャンクスは仲間達と共に船に乗り込み、出航する。

 アキトは彼らの姿が消えるまで目を逸らすことなく、シャンクスの姿を目に焼き付けていた。


 




 シャンクス達と別れたアキトは今後の行動方針について考える。
 身体は良好、体力は充足している。
 活力は漲り、一人でも生き抜く力を身に付けた。

 この島を出る時だ。
 シャンクス達同様、船出の刻である。

 偉大なる航路(グランドライン)に止まるか、それとも赤い土の大陸(レッドライン)の向こう側の海に行くか、否か

 新世界に行くという選択肢は初めから存在していない。
 今のアキトの実力では新世界の強者達と渡り合えないことは分かりきっている。

 アキトはふと今は原作においてどの時期に当たるのか気になった。
 この島で過ごして今年で9年、これまで原作について考えたことはなかった。
 身を粉にして修行に励み、強くなることに精一杯であったからだ。

 少なくともルフィは現時点では海賊にはなっていないはずである。
 シャンクスからルフィのことは聞いている。
 頻繁に彼の口から語られ、その度にルフィに対するアキトの興味は膨れ上がっていた。

 これから世界を見て回る予定であるアキトはルフィ達に会ってみるのも良案ではないかと思い始める。

 折角、この世界に偶然にも生を受けたのだ。
 彼らに会ってみるのも悪くはないだろう。

 ならば方針は決まった。
 アキトは先ず、ルフィがいる東の海(イーストブルー)に向かうべく上空へとその場から飛翔(・・)する。
 瞬く間にアキトの姿は虚空へと消え、島々の上空を跳んでいく(・・・・・)

 
 アキトのこの世界での時間が進み始めた。
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