序章
目醒め
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意識を覚醒させ、目を覚ませば周囲に広がるは広大な自然
大気はとても澄み、空は暗雲の一つもない快晴だ。
耳を澄ませば遠方から海水のさざ波の音が聞こえる。
どういう術を用いて自分はこの島へと辿り着いたのだろうか。
意識が覚醒する前後の記憶が非常に曖昧だ。
これは一体どういうことだろうか。
しかし、幾ら熟考しようと納得がいく答えが見つかることはない。
故に、先ずは現状の確認を取るべくこの島の散策へと繰り出すことを決意した。
やはり自分は現在、何処かの島にいるようだ。
数刻に渡る探索の結果、導き出した答えである。
この絶海の孤島は外界からは完全に隔離され、地平線を見渡せば壮大なる大海がどこまでも続いている。
この島の大きさも然したるものではなく、散策を開始して僅か数刻で海岸を歩き終えることができた。
しかし、島内を万遍無く散策したにも関わらず、然したる成果を得ることが出来なかったことも事実
加えて、この島には今では完全に廃れ、埃まみれと化したもぬけの殻の住居しか存在していない。
絶海の孤島にて己一人、外界からは隔離され、助けを呼ぶ術など存在せず、現状を打破することも出来ず、途方に暮れることしか出来ない。
これが現在自分を取り巻く状況である。
普通に詰んでいた。
泣きそうである。
発狂しそうになったが幾ら嘆いたところで現状は変わらないのも事実であり、泣こうにも泣けない
探索を終えた頃には太陽は地平線の彼方に沈み、日没の刻を迎えていた。
住む家を持ち得ない現在、自分はもぬけの殻の廃虚にて一夜を明かすしかない。
カビ臭いが文句など言っていられない。
この世の全ての毛布に感謝し、探索の一日目を終えた。
2日目
鼻を突くのはカビと埃の臭い
既に外では朝日が昇り始め、早朝特有の肌寒さが感じられる。
肌を容赦無く刺す寒さが意識を現実へと叩き付ける。
どうやら自身に降りかかった出来事は夢では無かったようだ。
「─」
先ずは体を清めることにしよう。
身体は汗やカビの臭いで酷い異臭を放っている。
廃虚の近くにて綺麗な湖を発見した。
当然、シャンプーやボディーソープなどの近代の文明の利器は存在しない。
だが現状、水洗いだけでも十分であり、身体に蓄積した疲労と汚れが浄化される。
精神的疲れも吹き飛びそうだ。
何と無しに水面を見れば、漂うようにぼんやりと映る自分の姿があった。
今更だがこの島にて意識を覚醒して以降、自身の姿を確認していなかったことに気付く。
過労により酷い顏になっていないだろうか。
白髪が
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