EX回:第2話<よぎる不安>(改2.2)
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、ようやく彼女も納得したようだった。
「承知しました。報告しておきます」
その後、艦娘たちに参加者を伝達しても特に異議は無かった。
「司令」
日向の言葉で私は現実に戻された。
「どうした?」
私が斜め後ろのを見ると彼女は言った。
「利根や山城さんが参加したがっていたようですが……」
私は応える。
「実家での騒動があっただろう? それに索敵と戦闘能力、性格などを総合すると、お前一人で利根と山城さん分になるからな」
「は……」
軽く頷いた彼女は少し恥ずかしそうな表情をした。だがそれは、お世辞ではない。遠征メンバーも人数制限がある。そこは臨機応変だ。
特に今回は金剛姉妹を入れたから、彼女たちを抑えてくれる落ちつた艦娘たちも必要だ。それが日向に赤城さん、龍田さんなのだ。
「着水」
機長が告知して直ぐに機体はブルネイ泊地近海の海面に降りる。ドンという軽い衝撃と同時に、窓には大きな水しぶきが上がる。
「ぽい!」
気分が悪いのか、大人しくしていた夕立が軽く叫ぶ。こいつも賑やかではあるが戦闘能力を買って連れて来たんだ。
龍田さんが窓の外を見て言った。
「あらぁ、お祭り?」
私も窓から機外を観察する。
水面の向こうには岸壁があり、煉瓦造りの鎮守府本庁舎も見えた。同じ海軍だから基本的な造りは海外も同じだ。
「なんで屋台が?」
不思議そうに呟きながらも、ちょっと嬉しそうな赤城さん。君の目当ては食べ物か?
ブルネイの状況から技術参謀が推測する。
「模擬演習ってのは現地でのイベントの一環として行うらしいな」
「あは、それなら多少は気楽ですね」
私の思いを代弁したように青葉さんが言う。
無線で交信していた副操縦士が振り返る。
「直接、接岸は出来ないようです。いま先方から内火艇が迎えに来ます」
「そうか」
続けて機長。
「許可も下りましたし、皆さんベルトを外して結構です」
機内はガチャガチャと金属音、そして安堵した空気が漂う。
……それでも私は、なぜか「敵地」に乗り込む変な緊張感が消えない。
「どうした? 司令」
技術参謀が問いかける。
私は応える。
「はい、同じ海軍のはずなのにずっと妙な違和感が……海外だからでしょうか?」
「……いや、違うな」
何となく彼女も同じ空気を察しているようだ。
「ちょっと警戒しよう」
「ハッ」
私は秘書艦に目配せをした。彼女も頷く。
船が近づく水の音がした。内火艇か。直ぐに『ガコン』と言う音が響く。
「来たな」
すると日向が立ち上がった。
「全員、上陸準備!」
『はい』
私は言った。
「日向、初っ端から飛ばさなくても」
「いえ、私の性分ですので」
ち
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