22 別荘
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今は泳ぐ時期ではないので海パンを持ってこなくても安心した。
藤木とリリィは様々な種類の貝殻を集めた。
「藤木君もいろんなの集めたわね」
「う、うん・・・」
「私達が集めたの、持って帰りましょう!」
「そ、そうだね・・・」
藤木は少し照れながら言った。
藤木とリリィが二人きりになるというのは久々だった。確かリリィの家(清水市内にある方)へ初めて訪れた時以来だったかもしれない。藤木にとっては今自分が幸せだと感じている瞬間だった。
・・・の筈が隣のビーチから声がした。
「あれれ?そこにいるのは藤木君とリリィじゃないか!?君たちもここに来てたんだね〜」
二人が声のある方向を向くとそれはクラスのバカ男子、山田だった。
「や、山田君!?なんで君がここにいるんだよ!?」
「アハハハ、そりゃあ、花輪クンにしょう待されたんだじょ〜」
山田は笑いながら言った。
「え、じゃあ、花輪クンもここにいるの?」
リリィが聞いた。
「アハハハハ、もちろんだじょ〜」
山田は笑いながら答えた。そのとき、別の二人組が寄ってくる。
「山田、お前こんなとこにいたのか」
はまじとブー太郎だった。
「おー、藤木にリリィじゃねーか。お前らも来てたのか」
「は、浜崎君に富田君・・・」
藤木はリリィと二人きりでいたいと思ったのに、ここでクラスメイトと出くわすなんてやっぱりツイてないなと落胆していた。
「あなたたちも来てたの?」
リリィが聞いた。
「あー、花輪がお手伝いのメアリーさんの孫が日本に来たっていうんで、一緒に遊ぶことにしたんだ」
「へえ〜」
「ところでお前たち二人で何やってるんだブー?」
ブー太郎が聞いた。
「私たちも別荘で休息しに来たの。藤木君も誘ってね」
「藤木を誘うってことはリリィは藤木が好きなのかブー?」
藤木は心臓の鼓動が強くなった。もし本当にそうならどうしようか迷った。藤木はリリィの家で嘗て自分があげた貝殻を彼女から見せてもらった時、「素敵」とは言われた。しかし、あくまでリリィは「好き」とは言っていない上、花輪にも魅力を感じているのでやや気になった。
「それはわからないけど、藤木君は私の友達だからね・・・」
リリィはやや照れて答えた。藤木は彼女が自分の事を「好き」か知ることはなかったが、友達として扱ってくれている事にやや嬉しく思った。
「そーだ、お前らもよかったらこっちに来ないか?さくらや穂波とかもいるぜ」
「いいわね。行こう、藤木君!」
「あ、うん・・・」
藤木とリリィは別荘に戻り、リリィの両親に断って花輪家の別荘に向かった。
藤木とリリィは花輪家の別荘に入った。花輪とヒデじい、そして別荘の手入れをしているメアリーに出会った。
「こんにちは」
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