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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
夜明けまであと少し
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だ!? 君に言った訳では無い! て言うか私は君を食うとかしないからな!」

「でも……祭壇に……」

「それは祭壇では無い、何と言うか……そう、それは私の寝床だ! 君が眠そうだったので取り敢えずそこに寝てもらう事にしたのだ!」

「寝床……」

「そうそう、だから安心するのだ少女よ」


 何故この少女は食べる食べないの話に終始するのだ、この見た目か? 確かに見た目は角の生えた白衣マッパの不審者と言えなくも無いが、動物が進化した生命体が跋扈する世界ならば角が生えている生命体が居てもおかしくは無いのではないか? やはりマッパに白衣か? これが原因なのか?


「もしかして……魔王様は、別の意味でアリィをお食べになるつもりだったのでしょうか?」

「別の意味で食べるとはどういう意味なのだろうか少女よ!? 君は色々と誤解が過ぎていると思うのは私の気のせいか!?」

「そして満足した後改めて食べられる……アリィは二度美味しく頂かれてしまうのですね……」

「私の話をちゃんと聞いているか少女よ!?」


 何だこのやり取りは、誤解を解く以前にこの少女は色々と致命的な思考をしている為話にならんと言うか、何だ二度美味しいって?


「あの……アリィはその、経験はありませんが、もしもの為にその辺りの知識も邑長から聞き及んでおりますから……ぇと、痛くしないで……」


 邑長ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 何いたいけな少女に余計な知識を仕込んでいるのだぁぁぁぁぁぁぁ! 余計な手間を増やすなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


「少女よ! 私は物理的にも別な意味での物理的にも君を食べるなんて事はしないからな! って服を脱ぐんじゃないっ!」

「ぇ……でも、まさか……着たままというのを御所望でしょうか? 確かにそういうプレイを好む殿方も居ると邑長が言ってた気が……」

「邑長ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! どこまで特殊な知識を吹き込んだ邑長ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 取り敢えずステイ! ステイだ少女よ!」


 こうして私はやっと現状の世界を知る一歩を踏み出す準備を整えた訳だが、それを行う前にはまだ一仕事をしないといけないという今に頭を抱えてしまった。


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