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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
夜明けまであと少し
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スの機能活性化、それらの殆どは使用しないとどういう事になるかは判らないという不安を残したものの、今後適時に試していけば良いので重篤なエラーが出ていない今は特に問題は無いと言えるだろう、が、今私が問題としているのは、全ての基本となる高速データ通信用のデバイスをインストールした後に起きた私の身体変化についてだ。

 確かに地上から静止軌道上の人工衛星という膨大な距離をパーソナルユニットという機器でやり取りをするというのならば、ある程度の追加設備が必要になるのは判る。

 実際の話、音声と小規模ながらデータのやり取りが出来てしまう現状も相当な物だと謂わざるを得ないが、それ以上となるとやはり何かしら大型の付帯装備が必要となるのは理解しよう、しかし、しかしだ……


「幾ら必要だからと言ってもこれは何だ、これではまるで……」

『ああうん、それどう見ても角だね』


 そう、今私の目の前にあるくすんだステンレス板に映る私の頭部、その両側にはこう……少し捻りが入った角が二本天に向かって生えている、何故だ。


『メガ通信を無線で受け取るにはそれなりの備えが必要だからねぇ、その為脳内デバイスに直結する通信アンテナは必要だから』

「デバイス直結だと!? ではこの角は……」

『君の脳に直結してるよ? ああ大丈夫、接点はガッチリ固定してるし、外部に露出している部分は物凄く頑丈だから、早々破損する心配は無いさ』


 誰がそんな事を心配していると言うのだ、私が今心配しているのはこの見た目だ、角だぞ? しかも頭から二本もニョッキリ生えているんだ、これではまるで盆や年末に特定の場所に出没するという、ああいう趣味を持つ者達のプレイ染みた格好ではいないか!?


『いやぁ、期せずして見た目から魔王っぽくなっちゃったよねぇ〜』


 マッパに白衣+白衣でも大概だと言うのに、それに咥えて捻じれた角二本とかどんな晒しブレイと言うのだおい!


『長期間低温でデバイスを定着させてきたお陰で君の脳はほぼ全領域に於いて有機電脳化してるから、処理能力も記憶容量も、おまけに頑丈さも人のそれより桁外れの物となってるよ』

「なっ、馬鹿な!? 幾ら人体と癒着させる目的で開発された生体部品といっても、脳全体を侵食した上変質させるなんて有り得んだろう!?」

『設計段階では機能が十全に使用できる迄の時間は凡そ数ヶ月、それでっと、人が使える機能拡張限界はちょっとしたタブレットPC並を想定していたんだっけ?』

「ああそうだ、あくまでこのシステムは通信と処理を受け持つ携帯端末程度であって、人の脳を侵食するなんて事は想定されてはいない、と言うかそんな物危険過ぎて国の認可が降りる筈が無いし、どうやればそんな無茶な変化が起こると言うのだ……信じ
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