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北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
第二章 戦王の使者
戦王の使者T
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み込まれた方のトカゲは跡形もなく消えた。
「トカゲの式神?」
「それよりもあの鉄製ライオンは何なんだ?」
「あれは本来、伝令用の式神のはずです。離れた土地にいる人に何かを届ける時とかに使うもので、あんなに攻撃的なものではなかったはずです」
2人が困惑していると古城の足元にトカゲの式神が封筒をくわえてやって来た。古城は一瞬迷ってそれを式神ごと拾い上げると式神を手のひらに乗せ、空いている片手で器用に封筒の中身を取り出してその内容を読んだ。
「招待状かこれ?」
「見せてもらえますか?」
雪菜がそれを読むと確かに招待状のような文面が日本語で書いてあった。
「『オシアナス・グレイヴ』という場所に来いって話ですけど・・・」
「聞いたことすらねぇな」
洋上の墓場(オシアナス・グレイヴ)。戦王領域の貴族、アルデアル公ディミトリエ・ヴァトラーの船だ。で、今は絃神島の港に停泊してる』
突然、古城の手のトカゲが喋り出した。
「おぉ??」
『よぉ、お前ら久しぶりだな』
「久しぶりって・・・もしかしてアインさん?」
『おうよ。絃神島に残しといた式神が役にたったみたいだな』
「お前こそ大丈夫なのか?なんか昏睡状態になってたとかニュースで言ってたんだが」
『もう回復した。ただ、視力が落ちてなぁ。普段の生活も眼鏡かコンタクトが必要になりそうだ』
「アインさん、一つお聞きしたいことがあります。あの時出現した竜はアインさんですか?」
『多分そう』
「多分とは?」
『俺も正確には分からん。だがそれっぽい記憶はあるし、そうでもないとあんなとこに浮いてた状況も説明がつかん。そんでまあ・・・何よりの証拠ってつーのがあるんだが・・・』
「アイン?」
『お前らだから言うが決して口外してくれるなよ?俺はな、暁。竜人(ドラゴニュート)、単純に言うと人と竜の混血なんだよ』
「はぁ??」
「竜人・・・だったんですか。獣人か何かの類だとは思っていたんですが・・・まさか竜人だとは思いませんでした」
『これ一応アルディギアの最高機密扱いなんだけどな』
「・・・情報漏洩して大丈夫なのか」
『ほら、バレなきゃ犯罪じゃないって言うっしょ?お前らを信じてるぜ?』
「まあ・・・マスコミにでも言ったら俺の正体までバレそうだしな」
『すまん、人が来た。切るぞ』
アインの声を最後にトカゲの式神は古城の手から飛び降りて茂みに消えていった。
「そういえば姫柊はいつから竜人だって気づいてたんだ?」
「竜人だと知ったのは今ですけど、ただの人間じゃないってことは結構前から気づいてました」
そんなことを話しながら古城と雪菜は部屋への帰路に着いた。
「世の中不思議なこともあるもんだなぁ」
「世界最凶の怪異が言っても説得力皆無ですね」
途中、こんな会話が為されたという。

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