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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第52話 韓国対日本 後編(vs 高永夏)
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iに対してこだわりがありますね」「ああ。私はもう一度彼と打ちたい」
「その理由は?」
「そうだなsaiもAiも強さだけを見せつけて未だに正体は不明というのは同じだが――Aiには敬意が足りない」
「私はやはり和-Ai-の碁を認められないのだよ――ヨセを見たまえ」「どうしました?」
「――いつの間にか和-Ai-の挙動がおかしい!」
「そう。たしかにここらで2、3目の差があれば不動の差ともいえるが」
「和-Ai-は勝利を確信して手を緩めている?」
「そうだ。Aiのネット碁での棋譜を見たときに思ったことだが、白を持った碁では先番に比べ僅差の作り碁になることが多い。
アキラの対局と同じであれば本局も最後は半目勝ちだろう」
「たしかに少し余裕がある状況から、わざと損をして半目勝ちにしようとする傾向が、Aiにはあります。
オレが開発してる囲碁のモンテカルロプログラムに元々ある傾向に近い」
「モンテカルロプログラムというのは?」
「形勢判断を勝率を計算して行っているから、打った手による勝率の計算はしても、何目差なのかは気にしない」
「なるほど。まさしく和-Ai-の終盤に似ているな」
「ここもそうだ。ユルんだのではなく凡ミスだったのではと思わせる手順が終盤にいくつかある」
「半目でも勝てればいいからと終盤の手順は適当に打っていると?」
「それだけ形勢判断とヨセの正確な計算を行い正しい数字を導き出しているといえるが――」
「なるほど。だから敬意がないと?」
「そう。Aiの碁にはsaiと違って碁に対する敬意や愛を感じないのだよ。そこに最善の一手の追求もない」
「では先生はsaiがこの世に現れたのは私と打つためだと言いましたがAiは?」
「わからんよ。桑原先生が言っていたが秀策よりも上の碁の神様の悪戯かもしれないな」
「面白い話ですね」
「では秀策所縁の場所で、秀策の縁で反発し合って戦った日韓の若き棋士が、こうやって再び向かい合うのも――碁の神様の悪戯ですか?」
「そうなるな。だからこそ高永夏も進藤君の前で途中であきらめて投げ出すなんてことはせず、常に逆転を狙って最善のヨセを最善の一手を追求し続けた……想いは半目届かなかったが――」
「もし和-Ai-がヨセでもゆるまず最大差で勝つ様に打ってきたら?」
「我々の勉強のためには非常に助かるのだが――もしかすると多くのプロ棋士がプロを辞めるかもしれないな」
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本因坊秀策生家 対局室
半目差で敗れた高永夏を対面の進藤ヒカルが見つめる。
進藤の視線で高永夏は自分が薄っすらと悔し涙を流していたことに初めて気づき顔をそらした。
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