暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第48話 大将の行方
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っきり見てとれるからワクワクしちゃうんだよね。
 師匠が天才のオレを育ててたときも同じような楽しみを抱いてたんじゃないかってな」

「それって進藤の成長の為にチームを使うってことですか?」

「ハッキリ言えばそうだ」 「「!!」」

「進藤には高永夏との一戦が必要なんだ」「……必要ですか?」

「人生には成長をうながす勝負ってのは必ずあるだろ?
 正直なところ今の進藤は塔矢に二歩、奈瀬に一歩くらい遅れてるところがある」

「明日、高永夏に食らいついて勝ってみせろ。そうじゃないと10代のうちに二人に追いつけなくなるぞ」

「それにチームの勝利条件にしても、副将が塔矢で三将が奈瀬なら韓国相手でも二勝は取れる。
 ぶっちゃけ大将の進藤が勝とうが負けようが日本チームは優勝できる」

「つまり進藤も成長できて一石二鳥だと?」「おうよ!」

「いやいやいや。倉田さん、開き直らないで下さいよ! まるで捨て石作戦じゃないですか」

「オレはストレート勝ち狙ってるよ?」「本気で言ってるんですか!?」

「進藤の前半のマイナスは舞台に不慣れなための緊張だろ? 明日は問題ないよな?」

 進藤の横顔を見つめる。中国の陸力を一蹴した高永夏の強さは分かってるはずだ。迂闊な返事はできない。

「……わかりました。進藤の大将を認めましょう」「塔矢?」「塔矢君!?」

 進藤が答えを発する前に塔矢君が口を開き進藤の大将を了承する。

「ただし一つだけ要望があります」「おう! ワガママは一つだけ聞くって約束だからな」

「優勝した場合の和-Ai-と公開対局を行う権利をボクに下さい」「「!?」」

「ん? オマエなら二連勝でMVPだってあるだろ?」「はい。もちろん明日も勝つつもりです」

「だけど、どうしてもボクは和-Ai-が去る前に戦いたい。そして今のボクの碁を見せたい相手がいます」

「フーン。なら保険ってことか? いいよ。どちらにしろ日本のエースは間違いなくオマエだ」

「……進藤」「塔矢?」「キミの成長はボクも望むところだ」「塔矢!」

「進藤、キミが何を背負っているか知らないが、ボクの代わりに大将として出るんだ――」

「無様な結果は許さない」「そうよ進藤!」「期待してるからな!」

「よし! じゃあ夕メシ食べに行くぞ!!」
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