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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第48話 大将の行方
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えてない。

 そして奈瀬も趙石に危なげなく勝利。院生時代の中国武者修行の恩返しを果たした。

 まずは日本チームの1勝が確定。僕の知る原作という物語は遠い昔に活動を停止し……歴史が変わったのだ。

 残るは進藤ヒカル。今は2手ヨセコウを制したところだ。

 ガラにもなくモニターを食い入るように見つめる。
 やっぱり生観戦は音楽やスポーツのライブと同じでテレビ観戦とは違う。

 進藤ヒカルが碁盤に手を伸ばす。必死に。必死に――手を伸ばす。

 挽回できるのか?

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対局場 side-Asumi

 趙石が投了して対局が終わる。少しだけ天井のカメラを見つめる。ちゃんと見守ってくれたかな?

 そうだ!進藤と塔矢君は?

 周囲を見ると大将の塔矢君が席を離れ進藤の対局を後ろで見守っている。
 対局を終えた陸力五段の表情から察するに塔矢君は勝ったようだ。
 とりあえず二勝でチームの勝利は確保。私も進藤の対局を見ようと席を離れる。

 状況は細かいヨセの勝負。進藤が追い上げてるけど……たぶん半目の争いになる。

 隅をツガずに、キリに回った?

 そうか!黒は抜くしかなく、白は利かしてオサエてる。

●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇

同日夕刻 日本代表チーム宿泊室 side-Asumi

 午後から行われた韓国と中国の戦いは韓国チームがストレート勝ちを収め
 明日の試合で私たちと優勝をかけて戦うこととなった。

「……倉田さん、夕食の前に呼び出して何かありました?」

 倉田さんが腕を組んで真面目な表情で珍しく考えこんでいる。

「なあ、塔矢?」「はい」「大将だけど進藤に変えてもいいか?」

「!?」「「えっ!?」」 進藤が大将?ムチャでしょ?

「あの、倉田さん? 急にどうしたんです?」 固まる二人に代わり私が問いかける。

「合宿前の進藤じゃ、今日の対局のあの猛追はなかったはずだ――」

「そして合宿の後でオレが挙げた課題を進藤は見事にクリアしてみせた」

「最後のヨセの際にオマエが打ったキリに、逆転の一手に気付けたのは……検討室では高永夏だけだ」

「今日の進藤は、昨日の進藤に勝った。そして明日の進藤はもっと強い。――そうだろ?」

「倉田さん?」「オレ、大将やっていいの?」「まだ決定じゃない」

「塔矢はどう思う? オマエは賭け碁のご褒美だって残ってるしな。
 オマエが大将というなら、流石のオレもワガママは止めるさ」

「なら一ついいですか? どうして、そこまで進藤を?」

「道楽だ」 「「道楽!?」」

「ふつうに楽しいんだよ。一日一日と……成長がは
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