暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第44日 挑発
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e.(眠っている犬は寝かせておけ)ですか」
韓国棋界は和-Ai-に対して怒り心頭だが、触らぬ神に祟りなしという態度で接することにしていた。
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同時刻 日本代表チーム宿泊室 side-Asumi
もし本因坊秀作が現れても――自分の敵ではないと高永夏がレセプションの舞台で宣言した。
「こないだ進藤が大将になりたいって言ってたのはこういうワケか」
「高永夏と戦わせて」
「たしかに秀作をバカにされて腹が立つのは分かるけどワガママだよ」
私だって高永夏にギャフンと言わせたい気持ちはあるけど大将は勝負(賭け碁)で決めたのだから。
「アイツは直接オレを見て挑戦を叩きつけて来たんだ! 黙ってられねえよ!」「わっ」
「ねぇ、進藤。負けることは考えてないの?」「……」
「ああ! そういえば」 倉田さんが何かを思い出したようにポンと手を叩く。
「進藤って秀作の署名鑑定士だったんだ」「えぇ?」
「前にさ、碁盤に書かれた秀作の署名を『ゼッタイ、ニセモノ!』って断言したことがあるんだぜ」
「……なにそれ? ただの秀作ファンじゃないってこと?」
「例えるなら和-Ai-のマニアを公言する奈瀬のような感じか?」
「別にマニアは公言してません。それに和-Ai-の碁には憧れてますけど、最近の和-Ai-のキャラクタはイマイチで――」
「まァ、たしかに私だって和-Ai-の碁をバカにされたアタマにきますから分かりますけど……」
「オレを大将にしてよ! 倉田さんっ」
「大将は塔矢。賭け碁の罰ゲームを忘れてないよな?」
「でも明日の中国戦は奈瀬の代わりに副将だし、いいとこみせたら考えてやらなくもないぜ」
「は、はいっ」
何だか倉田さんが悪い顔してる。ろくでもない考えをしてるときの表情だ。
「おい! 中国戦の出来不出来は3人共見るからな。さァ、部屋に戻ってさっさと休め」
歓迎会では働いてる彼の姿も見ることができたし、楊海さんも交えて楽しくお喋りできてたのに……こんな騒ぎで疲れたくなかった。けど明日の中国戦は自分で志願した三将。負けるわけにはいかない。
プロ棋士になる前にお世話になった楊海さんに今のわたしの碁を見てもらいたい。
「そういえば塔矢君も楊海さんと楽しそうに話してよね?」「う、うん」
「ま、仲の良さのと勝負は別。進藤も気合い出したようだし明日の中国戦は全力で行こう」「ああ!」
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