暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第38話 それぞれの想い
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討ちをせず勝手に消えさせるわけにはいかない。
このままじゃダメだ。力が欲しい。佐為、お願いだ。オレに力を!!
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case 3 「奈瀬明日美」
様々な出来事が随分と前のことのように感じてしまう。
昨秋に私は和-Ai-先生の碁は好きだし心の師匠は尊敬してるけど、ホームページで韓国棋院に挑発を繰り返したりする和-Ai-の姿は嫌いだと彼にハッキリと伝えた。
そうしたら「元の世界へ戻れない自分の気持ちは分からない」って言われてしまった。
――大学の四年間が終わるまでの間は好きにさせて欲しい
それが彼との約束。だから今年に入ってからの彼や和-Ai-の動きに口を出すことはしない。
私は来年には高校を卒業して社会人として生きる。
どんなかたちになっても囲碁棋士の道を歩むって決意した。
この一年が終われば彼は元の世界に帰るかもしれないし、帰れないのかもしれない。
どちらにせよ彼は私からは離れていくのだろうと思う。
大学を卒業したら、このアパートからは引っ越すと言っていた。
来年には和-Ai-のノートパソコンも私に譲ってくれると言ってくれたけど断った。
先生から学ぶことはいっぱいあるけど、私が欲しいものはそれじゃない。
だから、この貴重な一年で和-Ai-の碁をできるだけ学んで、後は私の碁で戦っていくと決めた。
天元戦は昨年ベスト4の活躍もあって本戦シード入りを果たしている。タイトルも諦めてない。
もうダダこねて、泣いたりしないよ。
涙は自分勝手な後悔じゃなくて……誰かのために流したいから。
KGSで対局を重ねるネット碁のAiの代理も私が務めている。
中国No2の華松力九段や楊海八段といった雲南チームとの対局からは学ぶべきこも多い。
そして北斗杯のエキシビジョンマッチでも日中韓の国際棋戦に出場するトップ棋士と和-Ai-を通して戦った。
エキシビジョンマッチの後に楊海さんがインターネットを通じて「まるで何十年も未来の碁を見せられたみたいだった」とコメントしたけど……まさしく和-Ai-は何十年も未来の人工知能による碁を体現する存在。
彼がいう未来の世界では将棋やチェスの世界ではコンピューターによる解析が盛んに行われ、プロが披露する新手だってコンピュータ由来が多いそうだ。
そして囲碁の世界でもそれが当たり前になるだろうと言っていた。桐嶋和さんがその先駆け――。
けど桐嶋さんもコンピューターになることを目指している訳じゃないって彼は言っていた。
人間だから感情も入るし、当然ながら時間に追われたりミスもする。
そして勝負の場では往々にしてそうい
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