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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第33話 北斗杯選手選抜戦
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スを掴んで代表になる。そして進藤や奈瀬に並びたい。
イカンイカン。バカかオレは。まずは一回戦だ。一回戦!
進藤と奈瀬の強気がヘンに感染しちまったぜ。
●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇
近くのバーガーショップで進藤を誘って昼メシを食べる。
秋山初段を相手に快勝し、余った時間で越智の対局を観ることもできた。
「和谷の相手は越智?」「ああ 越智は強いけど院生のときは相性は悪くなかったんだぜ」
「オレは新入段の初段だけど手合いではまだ低段相手に負けはない……。勝ちたいぜ!」
「まァ、少ない人数でやってんだから仲間同士でも、どこかでぶつかるよな」
「進藤の相手はやっぱり奈瀬が来たな」
「……和谷はsaiって覚えてるか?」「覚えてるけど……どうしたんだいきなり?」
「和-Ai-の碁を学ぶヤツは大勢いる。けど誰も佐為-sai-の碁を学ぼうとはしない」「ん?」
「本田さんが並べてくれた関西の社の一局。初手天元はAiの影響なんだろ?」「らしいな」
奈瀬と社の対局は少し覗いたが一回戦屈指の戦いだった。
社の初手5の五に対して、奈瀬が二手目天元で応戦した壮大な空中戦。
オレに敗れた秋山初段、早めの決着がついた進藤と柴田二段。
立会人の渡辺八段まで食い入るように対局を見つめていた。
終盤には越智と津坂三段も加わったが……乱戦の力碁を制したのは奈瀬だった。
「緒方先生や一柳先生、関西の石橋先生、大勢の棋士が和-Ai-に注目してる」「そうだな」
「saiはAiに敗けて消えてしまったけど…オレはsaiのことを忘れてない」「……」
「saiの碁がみんなの記憶から消えてしまっても、オレだけは絶対に忘れない」「……」
「和谷はいつかsaiのことを秀策の碁みたいだって言ってたよな?」
「ああ、現代に蘇った本因坊秀策。今は道策の方がメジャーだけどな」
「オレは秀策の方が好きだぜ」「オレもAiよりsaiの碁の方が綺麗だと思ったぜ」「そっか!」
「奈瀬はオレにプロ試験のリベンジがしたいって言ってたけど、オレだって奈瀬に勝ちたい!」
「奈瀬がAiの碁に憧れるように、オレだってsaiの碁に憧れてるんだ。他の誰よりもずっと―ー」
「楽しみだけど、それより勝ちたい、いや……負けたくないって気持ちが強い」
ツイてる。社との戦いを見てオレにはアノ奈瀬を相手に勝てるビジョンが浮かばなかった。
二人で潰し合いでも何でもしてくれ。運も実力の内だ。
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