暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第30話 棋聖と女流棋聖
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究会はあくまで和-Ai-の棋譜検討が中心。実戦形式で対局することはない。

 けど和-Ai-の碁に関しては互いに知り尽くした相手ともいえる。教わたことも多い。

「うんうん。期待もらいたいねェ。差もきっちり詰めつもりよお」

 調子の良い言葉だけど誇張はない。それほど棋聖戦の棋譜は見事だった。

 石橋天元だって関西で最も和-Ai-を研究している棋士として知られているし関東に来たついでに桐嶋研に顔を出すことだってある。

 棋聖戦は和-Ai-の研究によってトッププロが磨いた最先端の手筋のオンパレードだった。

「もちろん、今日の対局もずっと楽しみにしてたさ」

 口調が改められ、一柳棋聖の目つきが真剣なものに変わる。

「それは光栄です」

「ま、いいタイミングで望みがかなったてえのは否定しないけどねェ」

 扇子で頭を叩き茶目っ気のある顔に戻る。

「大変だろうけど上を目指すなら、どんな相手でも勝たないといけないよ」

「……はい」

 調子を落としてる私に対してのエール。分かってるんだ。逃げたままじゃ駄目だってことは。

「じゃ、はじめようか」「よろしくお願いします」

 タイトル保持者を相手にしたプロ棋戦での初対局。

 弟子が師匠に勝つなど世話になった人に勝つことを勝負の世界では恩返しって言ったりする。

 ご恩返しをしよう。私は弟子ではないけど――。

 落ち込んでるとき励まされた。

 プロの道は長い。長いうえにゴールもない。一生が勉強なんだって。

 私も春からは高校三年生だ。同級生はそれぞれの進路に悩んでる。
 私はプロの囲碁の棋士として生きる。この道を歩んでいくと決めたんだ。

 後悔なんてしている暇はないって分かって私は女流棋聖になれた。

 自分がここまで来れたのは色んな人たちの力があって、そのすべてに感謝してる。

 気持ちを込めて白石を握った。
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