暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第30話 棋聖と女流棋聖
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和-Ai-の活動をサポートするなど便宜を図る代わりに、ネット碁で構わないから自分たちのチームを鍛えて欲しいと頼まれた。というわけで今の和-Ai-はKGSで雲南チーム所属の選手と優先的に対局するようにしている。
 お陰で優先的に和-Ai-と対局できる聞いて雲南チームには中韓の若手実力派が集まるようになったらしい。

 最初にメールを貰ったときは楊海って頭回るなぁって思ったよ。ホントに面白いことを考えるもんだ。その後に韓国での炎上事件とか対局禁止令とか予期せぬことが続いたので渡りに船の提案で助かった。

 奈瀬とも少しだけ色々あったけど春休みに昨年できたばかりの千葉にあるTOKYO-夢の国の海-に行く約束をした。春休みが終われば大学四年生だが就職活動をしなくて良いから時間的な余裕だって充分にある。

 とりあえず5月開催の北斗杯に向けて物語は順風満帆と言えるだろう。

「それにしても奇しくも同日か……」

 本因坊リーグでは、緒方精次十段・碁聖 vs 塔矢アキラ三段が、本因坊戦二次予選で森下茂雄九段 vs 進藤ヒカル初段が……それぞれ教わって来た相手と戦っている。

 この二つは漫画で行われた対局だ。今や原作とは違った世界で結果がどうなるかは分からないけど。

 そして残る一つが――。

●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇

竜星戦本戦ブロック side-Asumi

 場所は市ヶ谷にある竜星スタジオ。私は此処の常連。
 女流棋聖の挑戦手合三番勝負もホテルで行われた初戦以外は竜星スタジオで行われた。

 竜星戦は囲碁将棋チャンネルが主催するテレビ棋戦。
 情けない話だけど天元戦で負けてから私の中の好調の糸が切れてしまっていた。

 けど彼の目に対局の姿が映るであろうテレビ棋戦でみっともない戦いはできない。
 最後に残った女の意地(プライド)に縋りつくようにして勝ち進んで来た。

「大変な一局ですね……」「どうしたの?」

「いえ、和-Ai-の碁と自分の碁を比べられるかなって思っちゃうと」

 相手は一柳棋聖。私の主催する桐嶋研で一緒に和-Ai-の棋譜を研究している。

「いやぁー、そりゃあ比べるってーのは失礼かと思うんだけどさァ」

「はいはい。熱望してた和-Ai-との公開対局が決まりましたもんね。分かってますよ」

 お互いに気安く会話を交わす。いっとくけど私は年上に気を遣う方よ。

 一柳棋聖とは新初段シリーズまで面識がなかったんだけど、今では一番と言って良いくらいにお世話になっているプロ棋士だろう。

 お喋りが大好きで抑揚の利いた軽快な言い回し巻き込まれてしまって、最初は堅い口調で返事を返してたけど、乗せられて気安い間柄になってしまった。

 研
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