暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第23話 最強女流
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マチュア棋士の東堂シオンだ。

 知る人ぞ知る囲碁界の異端児。

 世界囲碁選手権5年連続優勝の元学生チャンピオンという肩書と桑原本因坊による推薦で出場。

 アマチュアが史上初めて16人の本戦トーナメントに進出し新聞にも取り上げられた。

「彼女の独占インタビューはウチが最初に放送しますよ!」

 彼女はアイドルになれるテーマパーク番組アイパラTVで活躍する現役の中学生アイドル。
 所属する芸能プロダクションは業界大手でメディアも無理は通せないらしい。
 番組による仕掛けでもなく彼女の大会出場や一次予選での活躍は当初ある程度抑えて報じられていた。

 そして今までは全日本早碁オープン戦の対局に影響が出るという建前で各メディアからの取材を
断り続けて来た彼女の独占インタビューを取り付けたのは流石に天下のNHNといったところか。

「あとNHNニュースの特番も大きな反響がありました!」

 東堂シオンの活躍により一般の人が囲碁界に注目し興味を持つようになった。
 それが図らずしも棋院の制度的な問題を浮き彫りにし世間が知ることとなった。

>>また一人、プロ界の頂点だった最高位の九段が彼女の前に敗れ去っていく――。

 一次予選の初戦で低段の女流棋士を破った彼女は九段の男性棋士を連続して破り予選を突破。
 最終予選でも三大リーグ入りやタイトル経験のある九段を破って本戦出場を果たしている。

>>こんな女子供を相手にオレが打たないといけないなんて……。

 ある九段が漏らした明らかな失言が公共の電波に流れる。
 この棋士は負けた後に繁華街で酒を飲んで酔っ払い道端で寝てしまったことが写真週刊誌で報じられた。

>>日本のプロがだらしないのか、それとも彼女が強すぎるのか……。

 今まで一般にはあまり知られていなかったが囲碁のプロは九段の棋士が将棋に比べてずっと多い。
 囲碁の段位は大手合と呼ばれる対局で規定の点数を挙げることで昇段する。
 今の制度では将棋界とは違い棋戦で活躍しても飛び段もなく年功的な昇段制度の意味合いが強い。
 降段制度がない段位は現在の実力を表すものではなく、あくまでキャリアの到達点に過ぎないのだ。
 だから各棋戦での大きな活躍も優勝歴もない一般にはまず知られていない無名の九段もいる。

 だが囲碁を知らない人にとって九段がアマに敗れる続けるというインパクトは大きかった。

>>彼女の活躍が囲碁界に大きな波紋を呼び、世間は疑問を投げかけています。

 今や100名を超える九段のうち、近年勝ち越しているのは半数にも満たず三割ほどしかいないこと。
 ベテランの高段者が、伸び盛りの若い二、三段に負けることも、近年では珍しくないことが番組で紹介された。

>>こ
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