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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第19話 天元を目指す碁 前編(倉田厚七段 vs 奈瀬明日美)
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『5手目のシマリとこの手を比べても意味が無いわ。
盤面は常に変化してるのよ。部分にとらわれるのは人間の悪い癖ね』
本当に今日は先生の声がよく聞こえる。集中もできてるし調子が良い証拠。
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side-Atusi
自分にとって本当に怖い奴は下から来る。師匠に言われてたから覚悟はしてた。
名人戦の予選で戦った塔矢アキラは跳ね除けたけど、また本因坊リーグで戦うことになる。
新初段シリーズでの桑原のじーさんとの戦いを知って奈瀬明日美という女流棋士が上に昇ってくる奴だというのは分かっていた。
けど新入段の女流棋士と天元戦の準決勝を争うなんてのは予想してなかった。
今が伸び盛りってやつか。オレも経験があるか分かる。自分の碁が大きく進化する時期ってのは確かにある。現在進行形で進化の真っ最中だ。
けどオレが今年中に狙えるタイトルは天元のみ。この一戦は落とせない。
新入段だからって舐めてなんていない。
男だろうと女だろうと年寄だろうが若かろうが強いヤツが強い。それが勝負の世界だ。
下との死に物狂いの戦いに生き残ってオレがタイトルを掴む。
こういうツケを奈瀬女流はよく打つ。いや一柳棋聖や緒方二冠も好む。
正体不明のネット棋士、和-Ai-を好んで研究し自らに取り入れている棋士の手だ。
知らなければ最大に地が欲しいという級位者が欲張って打ちそうな手にも思える。
けど韓国の囲碁界を揺るがした事件を正しく評価できる棋士に和-Ai-を侮る奴はいない。
いるとしたら時代遅れのロートルか、未知の手を評価する力もない低段者だ。
下辺の途中を手抜いてくる。せっかく読んでいた流れが断ち切られる。
戦ってみて初めて分かる相性の悪さ。オレが読む一局の流れが途端に外される。
黒石と白石、点と点を結び、流れを読む、勝負所を探す。
けど、そんな点と点の流れに意味なんてないといわれるような碁だ。
碁は終局するまでの全てが通過点。流れなんて人間の錯覚か?
違う。勝負には流れがある。棋士が考える時間がある。
和-Ai-ってヤツの持ち時間の使い方は普通じゃなかった。あれは人間とは思えない。
けど奈瀬女流は違う。思考には流れがあり、打つ手には感情がある。
それなら勝負所の場数や経験値はオレが上だ。
答えを出す最後の決め手は勝負勘だ!
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side-Asumi
(白石の厳しい割り打ち。さすがにこれは困ったかもしれない)
『良い結果に繋がる手を選ぶだけよ。困ることなんて何一つないわ』
上辺取ってる間に左上隅を取
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