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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第16話 時代の敵
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という話は聞いたことがありません」と呟く。
この対局の後に一時期ではあるがアマチュアで流行する「天元の中央一間ジマリ」である。
結果として白は173手で投了となった。
最終的な差としては黒は15目程度の有利でヨセで逆転の目が残されているという声もあったが、白の打ち手の心が折れたのだろうと解説されていた。
韓国囲碁界を激震させた衝撃の一週間。
後に15年後の人工知能との対局と合わせて第一次AIショックと呼ばれることとなる出来事。
最も批判を浴びたのは大盤解説者だった。当たり前かもしれないが解説者は白番(韓国側)を応援していた。だから最初は序盤に黒番の放った手を酷評した。
「(和-Ai-の)この手は弱いです」
「(和-Ai-は)強そうに見えない。とてもプロ棋士に勝てるとは思えない」
「黒はなんだかぼんやりとした悪手」「素人目にも白が勝つ」
「黒はゴリゴリに力押しの悪手」「白が華麗にかわしていて対局者も優勢を確信している」
しかし手が進むにつれて解説者たちが「よく分からない」と言うようなことを漏らすようになる。
「(和-Ai-の)この手はなんの意味があるのだろう」「ちょっと地を数えてみましょうか」
「黒は60ですね」「白……45……あれ?おかしいですよ?」
「中央の白は生きていると思います。私では自信がありませんが大丈夫でしょう」
そうなって複雑な中盤に入るとアマチュアの視聴者にはどっちが優勢なのか分からない。
頼りのはずプロの解説も段々歯切れが悪くなってくる。
「たぶん白が良し」「白を持ちたい」「まだ白にチャンスが……」「白にも逆転の目が」
「分からないですけど良いと思います」「良いと思いたい」
「局面は白が勝ってます。しかし地を数えるとなぜか黒が勝っています」
「こんなはずが……」「狐につままれたよう」「この流れで負けるのは納得できない」
多くの観戦者が「好手、悪手についてプロ棋士の解説が信じられない」と書き込んだ。
また中継で「私の弟子があんな所に石を置いたらぶん殴っていただろう」と言った出演者は後に謝罪を行ったほどだ。観戦者から「ネットのアマチュア棋士に負ける様なプロ棋士に教わって強くなれるのか?」という批判も相次いだ。
これにより韓国の囲碁教室ではどこも客足が遠のき高まっていた囲碁の人気が失速することになる。
そして多くの棋士が囲碁対局を解説することについて頭を悩ませることになる。
しかし日中では逆に和-Ai-という存在が囲碁の露出を増やすことに繋がり若干の囲碁ブームに貢献することとなる。
対局の後、勝者である和-Ai-は正体を明かすことなく沈黙を守った。
誰もが和-Ai
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